踊ってばかりの国『Paradise review』によせて
開始二秒、歌声とアコギとタンバリンのカラみが響いた時点で、「あっ、これは大変なことになるな」という予感がざわめき、
バンド・サウンドがヌルリと現れた瞬間に、その予感は確信へと変わった。
部屋の空気がぐうううっとふくらんで、額の生え際がウズく。ゆらめく朧ろな霧のようでいて、その実、洗練された旋律とコシの強いグルーヴが、わたしを静寂にみちびく。
それはちょっと孤独な感じもするけれど、多くの積極的なものと深くつながっている感覚をあたえてくれる。
すなわち、サイケデリックの効能であ