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自分の意志で沖縄転勤したことで大企業の20代が誰もしたことない経験を得られた話

今日は日経新聞の「転勤、新制度でどうなる?」の記事を読んで感じたことと、自身の転勤経験から「自分の意志で沖縄転勤したことで大企業の20代が誰も持っていない経験を得られた話」について書いてみようと思います。

最近の若い世代では、転勤が多い会社を避ける傾向にあるようです。

マイナビの大学生就職意識調査では「行きたくない会社」の特徴で2025年卒業予定の30.3%が「転勤が多い」を挙げた。15年卒19.9%から大幅増だ。

転勤、新制度でどうなる? 「聞いてないよ」解消に一手

また社員が転勤を命じられる際の不和を減らすため、企業側でも「候補地は事前に説明」「社員の意向も尊重」といった対策が進んでいます。

4月に労働条件明示のルールが変わった。従来は雇用・募集の際、採用直後の勤務先を示せばよかったが、今後は勤務する可能性のある場所を事前に伝えなければならない。国は既存社員についても同様の対応を推奨している。

東京海上日動火災保険は26年度をメドに本人の同意のない転勤を廃止する方針だ。ニトリホールディングスは就業地域を社員が決めるマイエリア制度を23年に導入した。転勤の有無にかかわらず、賃金に差は設けず、社員に魅力的な就労環境を整えている。

転勤、新制度でどうなる? 「聞いてないよ」解消に一手

一方で、個人的にはこの「転勤を命じられる」という受け身な言い方に違和感があります。

そしてこの違和感の原因は「終身雇用制度」にあるようです。

転勤に関する強い権限が会社に認められてきたのは終身雇用との兼ね合いもある。不採算事業・地域から利潤が見込める事業・地域へ社員を柔軟に移せないと、経営継続が難しくなり雇用も守れない。一方、働き手は就業場所の決定権を会社に委ねる見返りに、長期の雇用保証を得てきた。ただ終身雇用が揺らぎ、転勤のあり方も見直しが迫られている。

転勤、新制度でどうなる? 「聞いてないよ」解消に一手

私は新卒でKDDIに入社し8年間勤務しました。東京でアプリ開発のPMとして4年間働いたのち、沖縄に転勤し地方拠点の立ち上げと統括長として4年間働きました。

凄く不思議だったのが沖縄の方が「いやぁ、くりっきーさんもいきなり沖縄転勤なんて命じられて大変でしたね?」とおっしゃることでした。

その話をされる度に「いや、実は自分で手上げして来たんですよ」というと毎回とても驚かれました。

当時この沖縄拠点立ち上げには5名の候補がおり、上長との1on1で「興味ある人いる?」みたいな感じで1人ずつ聞かれていました。

私も最初に聞かれたときは「確かに沖縄興味はありますが、転勤もありえますよね?他にやりたい人がいなければ、、、」という回答をしました。

恐らく他のメンバーも「転勤はしたくないけど、出張で沖縄にいけるなら、、、」という温度感だったと思います。そのまま進んでいたら、誰かしらが社命で転勤していたかもしれないですね。

その面談は金曜日だったのですが、実は土日の間、私は自分の回答をとても後悔しました。

「20代で大企業の新拠点立ち上げなんて一生関われるチャンスがないかもしれないのに、なんて生半可な回答をしてしまったのだろうか、、、」

土日の間ずっとそのことが頭から離れず、月曜朝一で上長に「やっぱり沖縄やりたいです!自分にやらせてください!」と直談判しようと決めました。

結果的にその心意気を買っていただき、当時部署内で最年少でしたが、沖縄の拠点立ち上げ担当になることができました。最初は毎週出張ベースで仕事をし、翌年1月からは正式に転勤が決まりました。

毎週月曜日の朝4時に起きて始発の飛行機で沖縄へ行き、木曜日の最終便で東京に帰ってくる生活や、案件が重なりビジネスホテルに16連泊した経験も、今となってはいい思い出です。

結果的に、29歳で地方拠点立ち上げと拠点長という、恐らく日本の20代大企業社員では誰も経験したことがないのではないかという貴重な経験をすることができました。

もちろん自分一人では何もできず、周りの方々や、組織の看板、資金力、リソース、あとは運のおかげです。

ただ自分の意志で転勤を決めたことで得られた経験なのは確かだと思います。

思い出すと、私が社会人4年目の頃にある方に言われた言葉が、このような自分の意志を明確にしたと思います。

「異動は会社に命じられてするもんじゃない。自分の意志で選択するものだ。」

日本で働く1人1人がこの意識を持って自分のキャリア形成や異動・転勤を考えるようになれば、「転勤を命じられる」という受け身な言葉はそのうち死語になるのではないでしょうか。

1人1人が自分の意志でキャリア形成できる世の中になり、日本人の労働生産性と幸福度が高まっていくこと願っています。

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