note版『10万個の子宮』に『メイキングオブ10万個の子宮』収録エッセイ全掲載

今日で子宮頸がんワクチンの積極的接種勧奨停止から6年。

5年という節目であった昨年とはちがて、今年この問題を取り上げた報道は少なく、まるでこの問題がなかったものであるかのようになりつつあることに危機感を感じます。

細々とですが、わたしもこの問題についてnote等から発信を続けてきました。子宮頸がんワクチンの薬害を主張する医師から起こされた裁判は一審で敗訴しましたが、ウェッジ社と元編集長が判決を受け入れるなか、1人で控訴もしました。

しかし、子宮頸がんワクチンの接種が本格的に再開する気配はなく、ついに「10万個の子宮」の10分の6までが現実のものとなって来たことに、失望と無力感を禁じえません。

とはいえ、一縷の希望もあります。

正しい情報を求める人、正しい情報を発信する人は確実に増えています。誤ったメッセージを伝えようとする報道があっても「それは間違っている」と声をあげる人も増え、学会や医会が粘り強く勧奨再開を求める中、それを取り上げて報じるメディアも増えています。

誰かが、そして良心と良識のある人すべてが、辛抱強く、真実を伝える努力を続けて行かなければならないのでしょう。

先ほど「note版『10万個の子宮』」に、「メイキングオブ『10万個の子宮』」だけに収載していた有料エッセイ記事4本をすべて追加しました。

今までのnote版「10万個の子宮」は、平凡社版から出版した『10万個の子宮』とほぼ同じ内容となっていましたが、これからのnote版「10万個の子宮」では、この本を出すためにある男性と会っていた日のことを書いた「『10万個の子宮』ができるまで」、この本のシンボルでもある青い花について書いた「泣いている花と『10万個の子宮』」などのエッセイも合わせてお読みいただけます。

『10万個の子宮』をまだお読みでない方はぜひこの機会に、またすでにnote版「10万個の子宮」をご購読いただいた方で「メイキングオブ『10万個の子宮』」をお読みでない方は、今日この日にぜひもう一度この本を開いてご覧ください。

私の公開記事やSNSをフォローしている方の中には、子宮頸がんワクチン問題についての流れは分かっていると思っている方もいるかもしれません。しかし、わたし自身、この本をまとめながら記憶や情報の誤りがたくさんあることに気づきました。また私の古くからの熱心な読者だという方にお会いする機会にも、書いたことがあまり正確に伝わっていない、記憶されていないことが案外と多いことにしばしば気づかされます。

子宮頸がんワクチンをめぐる出来事は、SNSの投稿や個別の記事では理解しきれないほど複雑です。タイムリーに記事を書いていく中で見えていなかったものを拾い上げ、1冊の本に編みなおして全体像を明らかにするのには、思いのほかの時間と労力がかかりました。

子宮頸がんワクチンの接種を拒否する流れは世界にも広がっています。デンマークの接種率90%を20%に、アイルランドの接種率90%を55%に下げたのは、日本の反子宮頸がんワクチン運動が直接の原因です。(詳しくは本書をご覧ください)

厚労省のデータによれば、わが国における直近の子宮頸がんワクチンの定期接種率は0.3%。定期接種ワクチンの接種率がこんなにも低い異常な状況はなぜ起きたのでしょうか。

医者のせいですか?
メディアですか?
安倍政権ですか?

子宮頸がんワクチン問題を、20年後30年後に歴史として振り返ったとき、「10万個の子宮」が現実ではなく幻であったと言えるよう、今日この日に是非この本を読んでいただけたら嬉しいです。

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note版『10万個の子宮』に『メイキングオブ10万個の子宮』収録エッセイ全掲載

村中璃子 Riko Muranaka

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