離婚話をはじめる

さて、離婚が準備できたところで、いよいよ離婚話を切り出します(これまでの記事で2つの準備点について話をしましたが、その他に、離婚条件案を考える離婚後の自分の生活を考えることも必要でしょう。これらについては、後ほど話をしたいと思います)。

まず、離婚の話を切り出す良いタイミングってあるのでしょうか。それをどう見極めるのでしょうか。

離婚の話を切り出すタイミングは人それぞれだと思いますし、切り出し方もそれぞれだと思います。さらに、夫婦関係によっても違いそうです。私の場合は、妻からのモラルハラスメントがあったこと(帰宅しても自分の夕食だけが用意されていないなど)、自分が争いを好まず自分を押し殺していたということがあったケースだと思って、以下の説明を読んでいただければと思います。

第一に、離婚話を切り出した後の相手の反応やその後の結末に、対処できる強さが自分にあると感じられる状態になっている必要があります。レベルから言うと、次のレベル3になっている必要があります。

レベル1 離婚なんて自分にできそうにない。
レベル2 離婚はいつかはするが、今はまだできない。
レベル3 離婚はいつすればいいのだろうか。

あなたがまだレベル1か2であれば、もう少し待った方がよいでしょう。気持ちを固める作業、あるいは離婚後の生活に対する不安を取り除く作業をもう少しした方がよいと思います。すでに説明したやり方もありますが、そのほかにお薦めできる手法が「手紙を書く」ことです。手紙の書き方もいろいろあります。

1)相手に宛てる(怒りをかく。汚い言葉をつかってよい。心のウミを出し切ること。)
2)傷ついている自分に宛てる(自分の親になったような気持ちで)。
3)自分を主人公とした物語を書く(最初や途中は不幸でも、最後は必ずハッピーエンドとする)。
4)自分の人生のパートナーに宛てる(相手がいなければ、以前の恋人などでよく、連絡をとりあっていない人でもよい。実際に送ることはねらいとしていない)。
5)自分の子供に宛てる

このような手紙を書くことで、夫婦生活のなかで歪んでしまった自分らしさというものを取り戻しやすくなりますし、離婚の決意も固まっていくはずです。

第二に、離婚の話が始まってから終わるまでの期間は場合によっては数年に及びます。できることなら、理解してくれる友人やカウンセラーなどを探してみてください。また、離婚協議がうまく行きそうもない場合には、次の手を打つ必要があります。つまり、弁護士を介入させて離婚協議に移行するか、離婚調停に移るかです。そのため、今後の争いで一緒に戦ってくれる弁護士の目星をつけておいた方が無難でしょう。

第三には、技術的に、離婚の話を持ち掛けるときのリアクションなどを自分の体に叩き込んでおいた方がよいです。離婚の話を切り出したときの練習やロールプレイを行っておくことも大切です。具体的には次のようなリアクションを想定して、それに対する返事を用意しておくことになります。

相手の典型的なリアクションとその対応例
・話を聞かない。逆ギレする。
  → 「そういうこと自体、話合いが必要。」
    「そういう対応は、何も解決しない。」
    「話合うのなら応じるが、侮辱するのは許さない。」
    「冷静なときに話し合いましょう。」
・事実の否定
  → 「あなたは覚えていなくとも、私は覚えています。」
・自分のせいにする。
  → 「私のせいにするのは勝手だが、あなたが・・したのは事実。」
・すでに謝った。
  → 「それでも解消できない事実があるということ。」
    「埋め合わせになっていない。」
・できるだけのことをした。
  → 「だからといって、私を傷つけたことには変わりがない。」
・楽しかったときもあった。
  → 「それが失われたのは残念。もう一緒にいる意味はない。」
・今までお世話をしたのに。
  → 「悲しい思いをさせて申し訳ないが、この話を止めるわけにはいかない。」

以上が、離婚話を切り出すときの最後の段階での準備です。参考になれば幸いです。なお、私は、下記の本を参考にして自分の心持ちを固めていきました。

参考文献
スーザン・フォワード『毒になる親 一生苦しむ子供』

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