見出し画像

仕事ができない人の存在を説明するピーターの法則と老後の幸せ

今日は一日中曇りで、時折小雨までパラつきました。気温も低く、半袖シャツでの外出は、ちょっと厳しい状態。長い連休を最後に締めるかのようにも感じられる絶妙な気候だったと思います。

さて、……。

ちょっと前に何かの記事で、なぜ仕事ができない人が会社にたくさんいるのかという問いに対して、その人が無能となるところで昇進が止まるから、という説が書かれていた。

これを調べてみると、ピーターの法則であることが分かった。この説は意外に古くて、1969年に南カリフォルニア大学のローレンス・J・ピーター教授が脚本家のレイモンド・ハルと著書「The Peter Principle」で発表したもの。

企業では、社員にある職位で仕事をやらせてそれを達成したら更に上の職位につける。そしてそこで仕事をやらせて達成できれば更に上の職位につける。でも、達成できなければそこで昇進は止められる。

そういう人で職場が満ちあふれたらどうなるか。達成できないレベルで止まった人=無能の人ばかりになるので職場の生産性が伸びなくなるという理論。

この理論について、率直に本人の適性をキチンと把握してその職位につかせたのかという疑問を持ってしまう。

適性の把握がなされないと、そもそも低い発射台からのスタートとなる。加えて、同じ部門内での昇進、例えば経理第1課長が経理部次長、経理部長と昇進する例ばかりではない。

昇進する過程で労務部や営業部に回る、或いは社外に出向することもあるだろう。特に役員候補の人間は、役員になっても経理だけを担当するわけにもいかない。よって別の部門も経験させられる方が普通。

それがたまたま適性のない職務となることはあり得るが、これを以て無能というのは酷だというのが私の認識。

また、職位は上がるほどポストが減る。経理第1課長と経理第2課長のどちらを経理部次長に昇進させるのかは両者の比較の結果でしかなく、上がらなかったからといって第2課長が無能とまでは評価できないのではないか。

多くの会社では役職定年という制度が導入されている。一担当者に戻るのだから、この理論に従うとほとんどの人が有能化することになる。でも本当にそうだろうか。このように考えるとこの理論が成り立つかは微妙。少なくとも今の日本向きではない。

なお、逆に個人の側に立った見方も必要だと考える。ある職位で更に上を目指したのに昇進できない結果になった時、その人間は満足だろうか。中には今の職位で十分だと思う人もいるだろうが、それは恐らく少数派。

何で昇進できないのかという不満、そこまでいかなくても無念の思いを持つことになる。これはずっと上の職位、例えば副社長が社長に上がれなかった時にも起こり得ること。

こうなると「ほとんどのサラリーマンや経営者は、会社を去る時に不満や無念の思いを持って退職する」ことになる。これを辻の法則として売り出そうかしら😁

冗談はさておき、このネガティブな思いを抱えたまま多くのサラリーマンが老後を過ごすとなれば、老人うつになる人が少なくないのもむべなるかなと感じる。

私の場合は、両親の死を経てあの世に持って行けるものなんてないことを実感したので、ネガティブな思いもこの世だけのものだと達観できてしまった。だから恐らく老人うつにはならないだろうと思っている。

過去に囚われ未来を悲観するのは空しい。ただ今この時に目の前のなすべきことをなす。それによってネガティブな思いが湧くのを抑え、将来への不安に怯えずに済む。このことは老後の心の健康を保つうえで、極めて有用だと考える。

お読み頂き、ありがとうございました。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。