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法定相続人 【どう受け取ったらいいのか分からなかった話】

 年の瀬に無礼を働くことをお許しください。


 むかしむかし、ではなく最近のこと、場所を特定すると支障が出るので、あるところに、おじいさんのいないおばあさんがいました。とある女性の話です。

 私はその方と面識がありません。お名前も知らないので、「A子さん」とさせていただきます。

 A子さんは、生涯独身でした。A子さんは九十代でお亡くなりになりました。お年を召して介護が必要になったA子さんのお世話は、A子さんのお姉さんの娘さんがされていました。

 A子さんが亡くなって、A子さんの遺産を整理することになりました。A子さんには配偶者も子どももおらず、A子さんの親きょうだいは既に他界していて、遺言書は残されていませんでした。そのため、A子さんの遺産は、法定相続人であるA子さんのきょうだいの子どもたちで分けることになりました。

 A子さんの遺産は現金で500万円でした。この500万円を法定相続人であるA子さんの甥や姪たちで分けることになったのですが、ここで問題が発生します。

 A子さんの法定相続人を確認した際、ひとり、知らない人物が出現しました。A子さんの甥や姪たちは、その存在を知りませんでした。

 A子さんの母親は再婚でした。このA子さんの母親を「B子さん」とします。

 B子さんはA子さんの父親と結婚する前、別の人と所帯を持っていました。子どもは2人いました。2人とも男の子でした。
 しかし、B子さんの前夫は若くして亡くなりました。33歳でした。

 B子さんもまだ若かったため、義母はB子さんにこう言いました。「あなたはまだ若いのだから再婚しなさい。子どもたちは私が育てるから、置いていきなさい」。

 B子さんは義母に言われたとおり、子ども2人を置いてその家を出ました。そして、A子さんの父親と再婚しました。

 B子さんの前夫との子ども2人は、その祖母に育てられました。
 次男は18歳と早世でした。長男は尋常小学校卒業後、実業学校だか専門学校だかを出て、地方公務員になりました。この方を「C雄さん」とします。

 C雄さんは18歳のころ、母親を訪ねていったことがあるそうです。しかし、母親は小さい子どもを連れていたから、声を掛けられずに帰ってきたそうです。母親、つまり、B子さんです。B子さんが連れていた小さい子どもが、A子さんか、そのきょうだいということになります。この話は、C雄さんの娘が父親から聞いた話です。

 C雄さんは終戦のとき、26歳でした。28歳で結婚し、2人の子どもを得ました。C雄さんは40歳のとき、理由は分かりませんが、自ら旅立ちました。

 C雄さんの2人の子ども、息子は既に亡くなっていて、娘は存命です。この方を「D子さん」とします。

 このC雄さんの娘であるD子さんが、A子さんの法定相続人として突如現れた人物になります。



 A子さんの甥や姪たちは、A子さんの母親であるB子さんが再婚だったことを知りませんでした。C雄さんはA子さんの異父きょうだいにあたります。そして、C雄さんの娘であるD子さんは、A子さんの姪にあたることになります。

 A子さんの甥や姪たちは、D子さんに手紙を送りました。「初めまして」と始まるその手紙には、D子さんの存在を知って驚いているということ、また、A子さんの遺産をA子さんの介護をしていたA子さんの姉の娘に残してあげたいから相続を放棄してほしい旨が書かれていました。遺産を分ける人数はD子さんを含めて5人なので、受け取る額は1人当たり100万円です。

 その手紙を受け取ったD子さんは、返事を書きました。「その遺産は父が残してくれたものだと私は思っています。ですので、放棄はいたしません」。

 D子さんはまったく面識のないA子さんの遺産を、法定相続人として受け取りました。



 私はこの話をD子さんから聞きました。

 D子さんとは私が幼少の頃からの付き合いなのですが、私は自分の心の防衛費を増額しなければと思うほどD子さんのことが苦手です。

 D子さんは今年、デパートでダウンジャケットを買ったようです。

 そんな様子が私をさらにもやっとさせます。

 お金ってなんだかなぁと改めて思ってしまいました。

 それにしても、こんなことってあるものなのですね。。

 頭の中を整理するために文字にしてみましたが、今のところはまだもやもやごちゃごちゃしたままです。

まあ、そういうときは考えないのが一番ですかね。

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