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【備忘録】 多発性骨髄腫 : 健診1回目

さてさて。
病名が確定してから初めての健診。
これが1回目ということになるのかな。
結果は見事に横這い。
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ヘモグロビン : 10.3L
IgG : 5897H
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前回から良くもなく悪くもなく。
IgGなんて前回より少なくなってる。ちょっとだけだけど。
「それでどうします?」と先生。
どうとは?
「抗がん剤治療」
えーーー、ちょっと待って待って。
それってこんな風に「親知らずどうします?」みたいな感じで決めるの?
なんか頭が真っ白になってしまった。


結局先生が言いたかったのは、いずれ治療は始めなければいけないけど、仕事の関係とかあるんだったら多少は融通効きますよ、という意味だそうで。
先生、どうやら前回私がパニクって、仕事が仕事がと言ってたのをちゃんと覚えててくれたらしい。
このまま経過観察を続けたとしても、ヘモグロビンの数値が11くらいならともかく10.3ではちょっとね、と。
0.7の違いってそんなに大きいのか。
そう言えば1年半くらい前から10.3以上になったこと見たことないよなあ。ヘモグロビン。
レバーとか食べてもダメか。
ていうかレバー苦手。
がんばれ血液くん。


そうは言っても、選択肢を提示されたことで逆に迷いが生じてしまう。
歯医者で親知らずどうするか聞かれた時も、いつも意味不明にへらへら笑いながら「あー、今困ってないんで、また今度」とかわしてきた。
そもそも今の多発性骨髄腫は、10年前に受けた卵巣癌の抗がん剤治療の影響もあるかもしれない訳で。
抗がん剤を否定するわけではないけれど、やっぱり強い薬って怖いんだなと身に染みて感じている。
「やりましょう、先生、がん細胞をやっつけちゃってください!一緒に戦いましょう」と元気100%では言えない気分だ。
まあそんなに元気でもないしね。
そんなキャラでもないし。
でもなあ、そんなこと思っている時点で病気に負けているような気もする。
何だかんだぐずぐず先延ばしにしているうちに、画期的な薬が開発されて簡単に治るようになったりしないもんなんだろうか、と虫のいいことを考えてみる。
まあ可能性はゼロではないよね。


じゃあ抗がん剤治療を先延ばしにしたとして。
何か他の病気になったり、色々な要因でタイミングを逃してしまって、あーあ、あの時治療を受けておけばよかったと後悔しながら一生を終える。
なんかそんなのもありそうな気がする。
抗がん剤治療を受けて造血幹細胞移植をするなら65歳がリミットなんですからね、と先生には念を押された。
確かに今がタイミングといえばタイミングなんだよなあ。
来月健診受けて少しでも値が下がっていたら、抗がん剤治療やります、と言おうか。
自分から言うのはなかなか勇気がいる。
こんなことでセカンドオピニオン受けたいとか言ったら変かなあ。


そうは言いつつも、結果が横這いだったり、治療が先延ばしになったりして、なんだかんだ気分が良くなって本を2冊も買ってしまった。
本も最近は高いよね。

高野文子「棒がいっぽん」
高野文子氏の著書、結構何冊か読んでるんだけど、面白さがいまいちわからない。
あらためて再挑戦。

藤井聡太氏の師匠こと、杉本雅隆氏の著書「師匠はつらいよ」
もう題名だけで笑ってしまう。
店頭にあったのはこの一冊のみ!
これは買うしかないでしょう。
藤井氏の凄さを知るためだけに将棋を学んでみたいとちょっと思う。
治療期間中に挑戦してみようか。


とりあえずもろもろ、保留フォルダにつっこんで来月まで棚上げ。
今日は穏やかな週末を過ごそう。



※注記: 抗がん剤治療について

当たり前のことではありますが、全てのがん患者が抗がん剤治療後に多発勢骨髄腫を発症する訳では決してありません。
患者会で知り合った中には、抗がん剤治療後、健康に問題なく生活している方がたくさんいました。
また、私が罹患したのは卵巣癌の中でも予後の悪いとされるタイプのもので、抗がん剤治療は適切な治療であったと今でも思っています。