「自分」なんて存在しない?~Brain tech.が揺るがす、「自己」の概念

--- 「自分らしさ」なんていうのは、電気刺激で簡単に変更可能だ。
衝撃だ。
『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』(ローン・フランク 著) を読んで考えさせられた。

脳に埋め込んだ電極から、電気刺激することにより、様々な疾患に治療が試みられている。
たとえば、とある女性は、重度の強迫神経症から解放された。
しかし、以前に持っていた完璧主義を失い、だらしなくなってしまった。
そして、治療に対して後悔の念を持っている。
逆に、内向的女性が、外交的に変化した。
良いことだけではなく、アルコールで問題を起こすようになり、夫婦仲は悪化。
それでも、本人は気にせず、新しい人格が好きだ、と語る。

こういった様々な事例から、不変の「人格/自我」なんてものは存在しないのだ、という。
--- 自己とは、そのときどきの脳の状態、でしかない。脳の特的の箇所に電流を流すだけで、別の人格になってしまう。
はやりの「自分探し」などしても意味が無い。「自分」は変わるものだから。とも言える。

問題は、これらの事実から、我々が何を読み取り、どう生きていくか、ということである。

電流で簡単に人格が変わる、ということは、人格の可塑性を示唆している
喜ばしいことでもある。人間は変われるのだ。
また、ある程度は自分で形作れるものであり、どのような方向に形作りたいのか、どんな自分になりたいのかを選び取ることが重要なのだとも言えるのだ。自分は自分で作り上げるものなのだ。

2021/12/9 



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