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3泊4日「インタビューのワークショップ」に参加してから

1年が経った。
あえて書く・発信することを避けてきたけど、もういいか。と思ったので、長くなりすぎない程度に書きまとめてみようかなと思った。

(いつもの自分のnoteのように断りを入れておくとすると)今回はどこかの誰かに向けたお役立ち記事ではなく、自分の振り返り、記録、雑記的なものです。📔


※ タイトルに釣られて…という方もいるかもしれませんが、今回の記事はプロダクト開発やUXリサーチとの関係は薄く、ここでの「インタビュー」も「取材」的な意味合いのほうが近いです。
しかも「インタビューとは何ぞ」にはがっつり触れず、写真と記録メインです。あしからず🏃‍♀️


参加するまで

1年とちょっと前、たぶん公開されてからその日のうちか次の日くらいに申し込んだ。

たまたま、ではなく普段から西村さんの発信を見ているので、その流れで目に留まって「あ、」と思い、「これは、今、申し込まないと」と流れるように、決して軽い金額ではないと承知の上で、フォームを入力して送信した。

私は数年前からこのワークショップの存在を知っていて、「人生のどこかできっと参加するだろうな」と思い続けていた。そのタイミングが今で、直感というか運命思考的なものというか。「今だな」と思った。

つまり動機は「インタビューを学びたいから」ではなく「人生に必要だったから」である。ひゃー。


…ということについて補足しておくと、主催の西村さんは、大学の研究室つながりでイベントに参加したり、大学4年次で「神山つなぐ公社」という一般社団法人でのインターンでお世話になったりしていて。西村さんのワークショップに(ちゃんと)参加してみたい、インターンぶりに会ってお話したいな、という目論見もあった。
あと、仕事でインタビュー調査をすることも増えてきたので、それについても何か持ち帰れたらいいなという気持ちが2割程度。


遠野駅から見える看板の写真

場所が「遠野」というのも大きかったかも。私が遠野に足を踏み入れるのは人生で2回目、6年ぶりだった。
最初に訪れた時の記憶もあって、また行きたいな、遠野、と思っていた。6年前に撮影した遠野の座敷わらしのコスプレ写真がまだフォルダに残っている。


いちごバターのできたてパン

来る時は、飛行機で仙台経由。
仙台も思い出が詰まりすぎて胸がギュッとなる場所だ。仙台で今回初めて訪れたパン屋と、その店員さんとの会話と、即席で出してくれたいちごバターのパンが忘れられない。最高パン屋体験だった。


すごした場所、たくさんのインタビュー実践

クイーンズメドウ・カントリーハウスの窓からの眺め

場所はクイーンズメドウ・カントリーハウス。ここで3泊4日を過ごした。
6月の初夏、少し肌寒い中で室内の薪に火をくべながら(キャンプで慣れていたので薪入れ担当に勝って出た)、ぱちぱちと火の音がする中でワークショップの時間を過ごした。

参加者は西村さん・私含めて7人。大きな木のテーブルを囲んで好き好きに座る。西村さんの話を聞いたり、何度もインタビューの実践をしたり、合間の時間にお互いの話をしたり。あとおいしくて温かかったご飯。
インタビューの実践は、お互いの声を録音しながら繰り返すものだったが、それも含めてワークショップの詳しい内容についてはここでは一旦書かないでおく。


荒川高原で、草を食べる馬たち

近くの荒川高原へ行く時間もあった。たくさんの馬たちがいて、馬の肌にはじめて触れた。

私の地元は熊本県八代市で「妙見祭」というお祭りが有名で、そのお祭りでは馬が駆け回る。小さい頃から「馬は暴れるもの」「後ろに立ったら蹴られるので近づいてはいけない」と言い聞かせられてきたので実はひっそりビビり倒していたけど、見つめて、近くに寄って、触れると、感じたものがあった。

馬、何感じてるの?が気になって、帰ってから馬の図鑑や本をいくつか購入して家に置いた。いつか馬と暮らせたら。


木の奥からこちらをおそらくうかがっている馬

高原だけでなく、カントリーハウスの敷地内にも馬がいた。
山の中でどこにいるのか、みんなで探すがてら散策して、やっと見つけた。すれ違う時も少し肌に触れて、馬…………という気持ちになった。


帰り道

3泊4日が明けて、帰りは新幹線で帰った(息子に写真見せてあげたかったし)。帰りの自由席の中で、ワークショップを振り返りながらノートをとっていた。

息子が好きなので、東北新幹線連結の写真もばっちり撮った

冒頭で「仕事のインタビュー調査にも何か持ち帰れたらいいな」と書いていたが、正直、このときは不安の気持ちがままあった。

ワークショップそれ自体は、すごく濃厚で、豊かな時間を過ごすことができた。

一方で、私のいまの仕事、たとえば「UXリサーチ」に何か活かせるようなことは獲得できたのだろうか? もしかして、何も学べなかったんじゃないか。仕事だけじゃなく、ちゃんとこれからの人生に影響を与えるような時間を過ごせたんだろうか・・・そういう問いをしてしまうこと自体の虚しさを自覚しつつも、完全に無視できない程度の少しのモヤつきが後を引いていた。


ノートと追体験

ワークショップのはじめ、西村さんからノートが各参加者に手渡されていた。ミドリカンパニーの真っ白なノート。ここにたくさんメモをとること、書くことを試してみながらワークショップを過ごした。

ノートの見開きの左側には「外から」見聞きしたことを、右側には「(自分の)中から」感じたことを書くようにして。
いまぱっと見返すと、左側にはワークショップで印象的だった言葉たちが、右側にはそれを受けて自分がどう感じたか・心が揺らいだのかが、当時の「感じ」を残してたっぷり書かれている。

このノートは、仕事用本棚(在宅勤務デスクのすぐ後ろ)に置いて、いつでも手に取れるような位置に置いている。
ただ、しょっちゅう見返すものではなく、他の本と同じように「いま読む時かも」の波が来たら開く、くらいの頻度で自然と振り返るようにしている。


そして参加直後に抱いていた「せっかく参加したのに、もしかして何も学べなかったのではないか」という恐れの気持ちがぱっと変化したのは、ワークショップに参加して10ヶ月くらい経ってからのことだった。


仕事で「ユーザーインタビュー」に臨んだとき

年が明けて2023年春ごろ、十数名へのインタビュー調査を企画・実施した。その頃に正直ワークショップのことは忘れかけていたけど、そもそも久しぶりのインタビューということで若干緊張していた。

「ああ久しぶりのインタビュー…ドキドキ…緊張する…」そう思って開いたZoom画面の先、わずか30分間のインタビュー。
楽しくて、あっという間だった。いい時間だった、とお互いに実感していることが分かるくらいのものだった。

「インタビューのワークショップ」でなんとなく掴んだ気がした、インタビュー相手への向かい方や、声の受け取り方、響きの感じ方を、体が先に覚えていて。頭であれこれ考える前に、体が感じ取っていた。目の前のその人が見ている景色を、ちょっと感じ取れたような。何より嬉しかった。

「ワークショップの学びを言語化して直前に振り返って…」などせずとも、あのワークショップでの体験が身体化されていて、体が先立った、という経験をした。すこし不思議な感じだった。


※ 注釈1:いろいろ書きましたが、私はインタビューのプロではなく、経験も浅いので、もし私とインタビューすることがあっても期待しすぎず大目に見てください。笑(インタビューって相手との相性もあるよね)

※ 注釈2:インタビューそれ自体がいい時間だった上に、調査目的も果たせたしまとめた結果もいい感じでした。グッジョブ。


じわりといきてくる

ここ最近うまくいかないことが続き、BADモードに入っていたけれど、ノートを読み返して、ちょうど1年前のワークショップを追体験して、その時の「感じ」を思い出した。

参加直後に襲われた学べてないかもな不安は「これは即物的なワークショップではない」と分かってはいたものの自信がなかったからだった。

けれど1年経った今、まちがいなく「参加してよかった」と思うし「やっぱりあのタイミングで必要だった」と実感を伴ってわかる。

多分これからも折に触れてノートを手にとって、その度に何度も発見をくれる気がする。ノートを見返したタイミングで記録をつけるようにしているが、半年前の記録と今日とでは、目が留まったポイントがまったく違う。自分の定点観測をしているようでもある。


「インタビューのワークショップ」はこの1年間、私にとってあまりに大事すぎて書けねぇ…と唸っていたけれど、段々その感覚から自由になってきたのと、西村さんにも届いたらいいな〜の気持ちで書いてみました。

また何かしらワークショップやオフイベントに参加したいなという気持ちも湧き上がった。私からのお礼、近況報告も兼ねて。


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