ミュージカル「えんとつ町のプペル」を応援しています。７月３日にYoutubeにて全編無料公開されるので、こちらの動画のリマインダーをONにしてみんなで応援しましょう！！
#えんとつ町のプペル無料

こんにちは、国武凜です。
今回は「差別につながる<非合理な私>の排除」というタイトルで、大学で学んだ社会学を軸に非合理な存在についてお話ししていきたいなあと思っております、ヨロです！！

※インスタグラムやってます！フォローしてね！

では本題です。
前期近代社会における「私」という存在は、合理的な反省を通じて理想と現実のマッチポンプ的循環によって確立されていきました。具体的にはこちらの記事に書いてますのでよければご覧ください↓
◯理想と現実のマッチポンプ的循環

ここでポイントとなるのは「合理的」ということでありまして、合理的とは「道理にかなっていること」を指します。言い換えれば、「正しさ」みたいな感じでして、合理的であること・正しくあること、これが社会的に求められていたのです。

そんな中で今回紹介したいのはミシェル・フーコーさんが提唱した「規律訓練」というものです。これはどういうものかと言いますと、前期近代社会の医療施設や刑務所などの特徴のことで、具体的には「非合理な＜わたし＞を排除するモデル」のことを指します。規律訓練に基づいた人間の管理の特徴として、監視・報酬と懲罰・報酬と懲罰の基準となる試験、この三つが挙げられますが、こういったものを通じて例えば犯罪を犯した人に合理的な反省をするよう求め、非合理な部分を排除するよう矯正したのです。

規律訓練施設の代表として「パノプティコン」という施設があります、ご存知でしょうか？ぜひ調べていただきたいのですが、この施設は監視されている者が常に監視する者に見られていると感じるよう設計されています。こうすることで、合理的な反省を通じて合理的に、正しく、善い行いをしようとさせています。自分で自分を管理させようという狙いが、パノプティコンの構造から明らかになりますね。

このように前期近代社会では他人の期待に沿った行動をする理想を自分の中で描き、それに近づけるよう行動した現実との循環を通じて自己が形成され、その社会性というものが合理的・正しさみたいなものを生んで、そこから外れるような非合理的な行動をとるものに対しては規律訓練というもので合理的になるよう矯正してきました。しかし、合理的かそうでないかの区分は何によってなされるのかといいますと、文化的なものだったり集団的な属性によってだったりします。それゆえに差別が起こるわけですが、前期近代社会で非合理的存在とみなされたのが女性だったり障害者だったり黒人だったり在日コリアンだったりするわけです。そして、今もなおこのような方々に対する差別は残っています。

下の記事でも書かせていただきましたが、他人の期待に沿って行動しようとし、そうした社会性が合理性をうみ、そこから「正しく行動しろよ！」と他人を差別する。差別というのは合理性・非合理性の所産であるということですね…
・他人の期待に応えるために他人を差別する

責任能力への疑問視や行動を予測できないということへの不安感（非合理性への恐怖）から差別の対象とされた’精神障害者’は本当にひどい扱いをされてきました。今も完全に差別がなくなったと胸を張って言えるかと言われたらそうではないような気がしますが、江戸時代には「乱心者」と呼ばれ納屋や座敷牢に閉じ込められたり、神社や寺院に収納されていた歴史があります。また、1950~60年あたりには「私宅監置」という制度のもと古屋に何年も閉じ込められていた方もいます（当時は合法でした）。こうやって、非合理性への恐れから精神障害者の方への危険視を強化してきた歴史があるわけですが、精神障害者と健常者とで犯罪率を比較してみると、精神障害者はそうでない人に比べ犯罪を犯す率は単純計算2分の1であるというデータがあります。こうしてみると、本当に非合理なことをしてきたのはどっちなのか、考えさせらます。

結局何が合理的でないが非合理的なのかは神様が区分したものではないのでその区分自体が合理的でないことが往々にしてあります。にも関わらずそれを絶対視して差別をするのは、それこそ非合理的でしょう。非合理的な＜わたし＞の排除として規律訓練を上げさせていただきましたが、もう一度見直すべきなのではないのかなあ、と思いました。

今回は以上となります、最後まで読んでいただきありがとうございました！

[関連記事]
・客我で主我を殺すな、I を大切に。

・他人の期待に応えるために他人を差別する

・理想と現実のマッチポンプ的循環