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手帳とわたし。

今日は朝からカフェに行って日記を書いた。
いろいろなことに興味のある私だけど、いつも大抵最後までやりきらない。
そんな私が、昨年末、5年ぶりに手帳を購入した。
1日3つ、やりたいことを記入したりできたことを記入する欄があり、
その横には数行のメモが残せるようになっているものだ。
インスタグラムで気になっていたインフルエンサーさんの手帳で
毎ページにはその方のありがたいお言葉が書いてある。
毎日ハッピーに過ごしましょう、という手帳である。

昨年末、この手帳を手にした時の私といえば、「毎日書いて、1年後にはそれを楽しく見返すんだ。楽しい1年にしよう!」なんて意気込んで、
あっという間にその手帳はリビングの机の端に寄せられ、そのうち、いつも使わない別の部屋の机へと居場所を変えた。

そんな手帳に今日は、最近の楽しかったことや感じたことを書き留めておきたいと思った。
私は大抵最後までやりきらない人だから、こうやって時々気が向いた時を逃すと、本当にやらない。
朝からお気に入りの駅前のカフェに行き、白い手帳を開いた。
いつもは頼まないアイスコーヒーとモーニングセットのパンを食べながら、じっくり書いて、過去の日記も少し見返した。

何にもやっていないと思っていたけれど、日記によると私は楽しいことをたくさんしている。
けれど、悔しかったことや苦労したこと、挑戦したことはあまりなかったなと思う。
仕事を退職してから平日の睡眠時間が変わった。
そのおかげか、頭痛薬を飲む機会が減り、「あぁもっと寝ていたい」と思いながら重い体を起こして、パートナーが起きないように足音を忍ばせながら部屋を出て、目の明かないうちにプロテインをシェイカーにいれる、というルーティーンがなくなった。

人と関わることもうんと減った。目を合わせて話をしたり、いろいろな感情を伝え合うことも減った。どのような話し方をしたら相手に気持ちよく内容を聞いてもらえるか考えながら話すこともなくなった。
協力して仕事をすることや、思い切り汗をかくこと、大きな声で子どもと歌を歌うこともなくなった。自分なりに考えた活動が実を結ぶ、あの達成感を味わえなくなった。
うまくいかなくてすっきりしないままベッドに倒れこむこともなくなった。
通勤の煩わしさや、給料日の朝のわくわくした気持ちもなくなった。
振り返るとなくなったものがたくさんあるなと思った。

一方で、得られたものもたくさんある。
たくさん寝て好きな時間に好きなものを食べられること、ゆっくり料理ができること、平日の病院を受診したり、休みのかぶることのなかった父と母と平日にランチをしたり、実家に遊びに行けるようになった。
時間に余裕があるので、パートナーにも思いやりを持って接することができるようになった。
毎日、家の大きな窓から見える空の様子を見ながらいろいろなことを考えるようになった。
仕事をしていた時は、時間を上手く使うことができなくて、空を見て何かを考える時間が持てていなかった。朝の空はまだ暗くて、夜帰ってくると真っ暗だった。

今は、空を見ていろいろなことを考えている。
時々、自分が空っぽに感じることもあるけれど、どこかで読んだ漫画の中で「空っぽということはこれからなんでも詰め込めますね」といった女性の笑顔を思い出す。

これから何を詰めようかな。

手帳とわたし

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