見出し画像

ママに会いたくなっちゃった

幼稚園の預かり保育で働いていて、毎日誰かから必ずと言っていいほど発せられる言葉です。

こうなるとただの保育者はとても無力なので、ただひたすら「そうかぁ、ママに会いたくなっちゃったね…」と言って気持ちを受け止めつつ、その時その時の子どもの要求をできるだけ感じ取って、抱っこしたり、一緒に遊んだり…表面上は淡々と、でも頭と心の中はフル回転で、ママが来るまで少しでも気がまぎれるように手を尽くします。

学童の時も、夜が近づいてくるにつれ、「お迎え遅い」や「帰りたい」などと言う子がいました。その時と同じといえば同じなのですが、学童期の子より少し年下の子たちの「ママに会いたい」にグッとくるものがあります。

「おうちにかえりたい」じゃなくて「ママに会いたい」なんだなーと。

そうだ、保育園で日中働いていた時にも、この言葉はよく聞いていたことを思い出しました。どんな時に発せられるかと言うと、お友達とトラブルになったり、転んで痛かったり…そんな涙が出ちゃうときに「ママーママに会いたいー」とみんな泣きます。ほんのちょっとした悲しいことには「ママに会いたい」は出てこないけれど、かなり悲しい時に「ママーママに会いたいー」が出てきます。だから「ママに会いたい」が出たときには、とっても悲しいんだな、痛いんだな、不安なんだなとわかります。

ママって、とにかくこんなにも子どもから求められている存在なんですよね。

特に、夜が近づいてくると寄り添ってくる子が多いのです。くっついてると安心するんだなーと、ハーロウのアカゲザルの実験(興味ある方は「アカゲザル、実験」で検索を)を思い出したりしながら、こちらはその気になって疑似ママ気分が…なんてところにママが現れると、子どもは「ママー」とピューっとママのところへ一目散。あとは振り返りもしない…なんてこともよくあります。笑

私も布製のママ人形(アカゲザル実験の)の代わりくらいにはなるのかな、などと思いながら、少しでも園で子どもたちが安心した時間を過ごし、そのまま家族とおうちでの楽しい時間に繋がるように…という願いを込めて働いています。


いただいたサポートは、2022年8月から個人で行っている、子育て支援活動の資金にさせていただきます。地域の子育て中の人たちが交流する場所をつくっています。