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📖読書記録📖星の商人

読書紹介記事を書く青沼りんです📗
今回は、「成功の秘法」を手に入れるためのレッスンを小説形式で綴られた一冊をご紹介したいと思います。


●今回ご紹介する本『星の商人』

犬飼 ターボ 著
株式会社サンマーク出版
2005年8月10日 初版発行



物語はそれぞれの故郷を離れ、大商人を目指して湾岸都市にやってきたレキとスタム、2人の青年の出会いから始まります。

まず2人は湾岸都市で商人になるにはどうすればよいか情報収集をしていると、元大商人と呼ばれた賢者の存在を知ります。

是非ともその賢者から商売の教えを乞おうと2人は彼の元を訪ねます。

話を聞いた賢者は2人に「大商人の秘法」が書かれているという羊皮紙を渡すのですが、その内容とはただひと言書かれていました。

『他の成功は己の成功』

「星の商人 2.信じる者と疑う者」より


商売について具体的なコツを教えて欲しかったスタムはこの言葉に疑問を覚えます。対してレキは賢者からの言葉をなんとか理解しようとします。

この言葉の解釈違いから2人は別々の道を歩むことになるのですが、これによって2人の運命を大きく分けることになりました。

賢者の言葉を信じると決めたレキはまずは港に出て、そこで働く商人を手伝うことから始めました。

そこでレキは壺を売る商人アルヘンティアと出会い、彼の仕事を手伝っていく内に「他の成功は己の成功」の意味がわかるようになりました。

するとレキが持っていた羊皮紙が光り、余白の部分から新しい言葉が浮かび上がりました。羊皮紙はそこに書かれた言葉の答えを見つけると次に学ぶ言葉が浮かび上がる魔法の紙だったのです。

羊皮紙の仕組みを理解したエキは羊皮紙に浮かぶ言葉をヒントに、アルヘンティアから商売のイロハを教わりながら商人としての地位を少しずつ上げていきますが、ある問題に直面したことで物語の流れが大きく加速していくことになりました。


この本は、レキを通じてどうすれば自分の夢を叶える(成功できる)かを学ぶ本だと思います。

抽象的で曖昧な言葉を理解し実行するのが難しいのは、その言葉と教えてくれた人を素直に信じる気持ちがないとできないからなんだなと思います。

レキのように始めは理解できなくても、賢者を信じてとにかく実行して、失敗したらやり方を変えて再び実行。

それを何度も何度も繰り返して誰でもできるかつ、自分オリジナルの成功方法を導いていく。

この地道なサイクルがとても大切なことなんだと改めて大事なんだと学びました。


しかし、スタムのように賢者の言葉が理解できず疑ってしまうのもわかります。

物事をどう思い、信じるかはその人次第。

これが正しくてこれは間違っていると判断するのもその人次第。

「無限の富を分かち合う道」を選ぶか「限りある富を奪い合う道」を選ぶかもその人次第。

どちらも正しいからどうしても争い事が起こってしまうのも仕方のないことなのでしょう。


冒頭で別れたスタムはどうなったのか、なぜ賢者は「元大商人」となのか。

作中での何気ない会話の伏線回収や衝撃の展開が物語としてもとてもおもしろい一冊でした。


最後に私が本書で心に残った言葉をご紹介します。

「生きる世界は自分で選ぶもの。(中略)他人の人生にまで責任を取ろうとするのは傲慢といえよう」

「星の商人」p149より


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