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大学生こそ、日本学術会議の会員候補が拒否された問題を考える必要がある。

10月1日、菅首相が日本学術会議が推薦した会員候補者105名のうち、6名の任命を拒否したというニュースが入った。

はじめはよくわからなかったが、調べてみるとこれは大学生だからこそ知っておくべきことだし、声を上げなくてはいけないのではないかと思うようになった。


自分の考えも整理するために、このニュースを紐解いていくことにしよう。

まず、日本学術会議とは、全国にいる研究者のうち様々な部門で優秀な研究者210名の会員で構成されている。このメンバーは3年ごとに半数のメンバーが変わっていくそうだ。
役割としては、科学の向上・発展を図り、国民生活などに対して研究結果を反映・浸透することを目的としている。また、政府への政策提言や答申・勧告をも行うことができる。

そして、メンバーを決める際には、日本学術会議が候補者を内閣総理大臣に推薦し、それに基づいて任命される。

文言上は、推薦された候補者をもとに任命されるとしているため、場合によっては内閣総理大臣が任命しないおそれもある、というように取れてしまう。しかし、この「推薦されたものを任命する」というのは形式的なものでこれまで日本学術会議が推薦された候補者は誰一人として外されることなく、会員に任命されてきた。(書いている途中にニュースが飛び込んできたが、2016年にも拒否されていた例があったようだ)

これは1983年、会員を選挙で選ぶ方式から、現在の推薦式に変更する際に国会でも審議されていた。
推薦式にすることで、総理大臣の好き嫌いで会員が決められてしまうのではないか?政府の介入が起こってしまうのではないか?という内容が問われると、「実質的に総理大臣の任命で会員の任命を左右することは考えておりません。」「ちょうど二百十名ぴったりを出していただくということにしているわけです。それを上げて参りましたら、それを形式的に任命行為を行う。」と答弁されている。任命は形式的なもので、推薦されたものを総理大臣がどうこうすることはできない。と1983年の国会では答弁されているのである。これが政府の見解であろう。

…とすると、1983年の答弁と、今、菅さんがやっていること、矛盾してますよね?候補者の任命、左右させてますやん。

さらに厄介なことに、任命されなかった6名について、任命しない理由が政府から明かされていない。

さらにさらに厄介なことに、その6名はこれまで政府の行うことに否定的な意見を発表していることが多いようだ。
もし、政府がこの6名が会員になってしまうと自分たちは不利益を被ることになる。だから、拒否しておこう。こういう考えを持って、拒否していたなら大きな問題だ。こうした不信感を払しょくするためにも、政府はなぜ6名を拒否したのかをしっかり話す必要がある。


と、ニュースの全容はこんな感じかな。

Choose Life Projectも急遽、生配信を決めた。

この中で頭に残っているのは高山加奈子教授の言葉だ。
「日本学術会議法という法律の第7条では、『日本学術会議は、二百十人の日本学術会議会員をもつて、これを組織する。』とされています。しかし、いま6名がいないので、204人しかいない状態なんですね。これは法律が想定している事態に反しているわけですよね。」

「第十七条では『日本学術会議は、規則で定めるとこにより、優れた研究または実績がある科学者のうちから会員の候補者を先行し・・・』とあります。そのため、選考権限があるのは日本学術会議だけです。選ぶ権限は 日本学術会議にあって、その人数は210名と法律で決まっているんです。」

「また二十六条なんですが、『内閣総理大臣は会員に会員として不適当な行為があるときは、日本学術会議の申し出に基づき、当該会員を退職させることができる。』例えば、不祥事を起こしたとしても内閣総理大臣は直にクビにしたくてもできないんです。日本学術会議の申し出がなければならない。つまり、実質的なコントロール権は日本学術会議が持っているということになります。総理大臣にはクビにする権限もないし、任命する権限もないということです。」

・・・めっちゃわかりやすいな。


そんなこんなでニュースやら様々な情報を集めて自分の中で考えていた時、オンライン授業で、ある教授がこの問題について提言していた。

どうやらあの6人の中に教授の恩師である人が入っていたようだ。

それはそれは怒っていて、これは学生たちにも知っていてほしいと熱く話されていた。ただ、あの授業を聞いていた約50名の学生のうち、どれだけが内容を理解し、事の重大さに気づいていただろうか。

この問題をニュースで見ている世間の人たちの多くは私たちに関係ないと思っているのではないだろうか。そんなことはない。これは極端に言えば日本の将来に関わってくる、そんな気がする。学問を外堀から埋めていかれているような気がする。そしていつのまにか、私たちは身動きが取れなくなってしまう気がする。それは、こうした表現の場まで影響してくる気がする。

日本という国は、近年の政府は、
教育・芸術・文化に冷たい。
その代償は、いま最前線で動いている「年齢を重ねた男性たち」がみんな亡くなった後、私たちの世代が負わなきゃいけないようになる。

だからこそ、この問題は「大学生」が考えて、意見を発することが大事だ。


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