陸路りん

アルファポリス、エブリスタ、カクヨムでも同名で小説を書いています。主に恋愛・ファンタジ…

陸路りん

アルファポリス、エブリスタ、カクヨムでも同名で小説を書いています。主に恋愛・ファンタジー系です。よろしくお願いします。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/660513612/896830217 ←アルファポリスです。

マガジン

  • デブでブスの令嬢は英雄に求愛される

    デブでブスな令嬢ジュリア。「私に足りないのは美貌と愛嬌だけよ」と豪語し結婚などとは無縁で優秀な領主としての道をばく進する彼女に突如求婚してきたのは魔王殺しの英雄ルディ。はたしてこの求婚は本気のものなのか、なにか裏があるのか。ジュリアとルディの人生を賭けた攻防が始まる。 ファンタジー小説です。

  • やさしい吸血鬼の作り方

    主人公の少年カヅキはある夜吸血鬼の男を拾ってしまった。凶悪なご面相に屈強な体躯。けれど彼はどうやら自らが吸血鬼であることに戸惑っているようで……。 「家族を吸血鬼に殺された」というその男の言葉を信じ、カヅキは彼をかくまうことにする。 はたして吸血鬼と人間の共存は可能なのか? そして最近騒がれている吸血事件の犯人は本当にその男ではないのか? ファンタジー小説です。

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初心者の自己紹介です。

はじめまして。陸路りんです。主にアルファポリスとエブリスタ に趣味で小説をあげています。最近カクヨムと小説家になろうとこちらのnoteを使い始めました。   こちらで書くもの小説を上げるのがメインになると思います。主にファンタジーで恋愛ものを書いています。 コメディっぽいのが多いと思います。 note初心者です まだnoteの使い方がわかっておらず、ボタンひとつ押すのに「料金が発生したらどうしよう?」「このボタンを押すと一体何が起きるんだろう?」とびくびくしている状態です

    • [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第22話

      「ちょ、ちょっと話し合わないかしら?」 「申し訳ないけど遠慮させていただくわ。貴方とは話が合わなさそう」 「だからっていきなり肉体の関係を持つのはまずいと思うの!」 「紛らわしい言い方をするんじゃないわよ! 安心してちょうだい、私の手は指先一本ですら貴方に触れる気はないわ!」  護衛が恭しく差し出す鞘から、すらりとその刀身を抜いてミリディアはその切っ先をジュリアへと向けて微笑んだ。 「触れるのは、鉄の塊よ」 「あらやだ、刺激的」  そう軽口を叩きつつ、ジュリアの頬には冷

      • お気に入り数2500人突破。アルファポリスに載せてる小説が完結しました。

         アルファポリスに載せさせていただいている小説が完結し、おかげさまでお気に入り数2500人を超えました。  こちらです。  おそらくお気に入り数はこれから徐々に減ると思いますので今のうちに喜んでおこうと思います。  今作は感想もたくさんいただけて嬉しかったです。今少しずつ返信しています。  この後は続編のプロットと考えたものの使わなかった小ネタを番外編としてまとめていく予定なのですが、ちょっといろいろ忙しくなってきそうなのでゆっくりやっていこうと思います。  最後の方わ

        • [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第21話

           防具や武具は決して新しいものではないが、よく手入れをされた質の良いものだった。 (随分と整えられた軍備だこと)  その光景を見てミリディアは嘆息する。  基本的に国境沿いでもなければ各領地で私兵を抱えることは禁止されている。護衛を数名雇う程度ならばお目こぼしが与えられるが、この数は明らかにそのお目こぼしの範疇からは漏れていた。  けれど罰することは難しい。なぜなら彼らは自警団。生粋の領地の民であり、しかもその先頭に立つ者すら領主とは関わりのない平民なのである。 (必要

        • 固定された記事

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        • デブでブスの令嬢は英雄に求愛される
          22本
        • やさしい吸血鬼の作り方
          12本

        記事

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第20話

          「彼女は噂通り、素晴らしい王女様ね」  その様子を遠くで扇越しに眺めながら、ジュリアは呟いた。  ミリディアが先程ジュリアの様子をうかがっていたように、ジュリアもまたミリディアの様子をうかがっていたのだ。  ジュリアはミリディアがこちらを見ているのを知っていてあえて放置し、その様子を観察していた。 「彼女は優秀な王女殿下です。美しく聡明で、己の立場をよくわかっておられる」  それに背後から合いの手が入った。ルディだ。  いつの間に忍び寄ったのだこの男はと内心で悪態をつき

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第20話

          コンテストって難しい

           初めてアルファポリス様のコンテストに参加してみました。第17回恋愛小説大賞です。お祭りみたいで楽しいです。  ランキングに一喜一憂してしまうのでなるべく見ないようにとは思っているのですがついつい見てしまいます。  最初はランキングがどこに出るのかわからず右往左往してましたが編集ページにもプレビューにもちゃんと載っている親切設計でした。  こういうのって何かコツとかあるのでしょうか? どこかで完結のタイミングを気にした方がいいと書いてあったのを読んだのですが、とりあえず今月中

          コンテストって難しい

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第19話

           実はロザンナ・シーガルはジュリア・レーゼルバールと同等の伯爵の地位を持つ、しかしそれ以上に長い歴史を持つ家系のご令嬢であった。  鉄のように重苦しい血筋に縛られた家に生まれ、ロザンナはさほど労も感じずに完璧に期待に応え続けた。  優れた教養に優雅な立ち振る舞い、節度のある付き合いに調和の取れた環境。  そうしてたどり突いたのが婚約破棄だ。  ロザンナは大してショックを受けていない自身にショックを受けた。  ロザンナの妹は決して完璧ではなかった。  天真爛漫と言えば聞こ

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第19話

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第18話

          (一体……、なんなのこれは、みっともない)  しかしパーティー会場である庭園にまで下りてきて、ミリディアはますます眉間の皺を深くした。  花びらで作られた稚拙な飾りに「おたんじょうびおめでとう」となぜかわざと崩され子どもじみた文字で豪快に書かれた垂れ幕。  その下ではどじっ子メイドがメインと思しき7段重ねのケーキを隠すためにかけられていた幕をはがすことに盛大に失敗し、生クリームが雪のように飛び散った。  一番上の段にあったスポンジが弾みでぶっ飛んで空を舞う。  それがべちゃ

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第18話

          今日ケーキ屋に行こうと思って歩いてたらその隣の本屋に普通に入っちゃって、入った後に店内見て何かが違うことに気づいたけど何が違うのか本気でわからなくて5秒くらい考えて「あ、ケーキ屋さん」ってなってすぐケーキ屋に向かいました。 本当にびっくりしました。

          今日ケーキ屋に行こうと思って歩いてたらその隣の本屋に普通に入っちゃって、入った後に店内見て何かが違うことに気づいたけど何が違うのか本気でわからなくて5秒くらい考えて「あ、ケーキ屋さん」ってなってすぐケーキ屋に向かいました。 本当にびっくりしました。

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第17話

           どんどん、と乾いた音を立てて空砲が空へと打ち上がった。  それと同時に美しい花吹雪が辺りに舞い散り、お祭りの開始を皆へと知らせる。  ジュリアの生誕祭兼祝勝会の開始である。  通常よりも諸々の関係で日程が押してしまった今回は、正直いつもよりも他所からの集客は少ない。  一応日程が押してしまうという告知も行ってはいたが、それでも勘違いしていつもの生誕祭の時期に訪れてしまって肩を落として帰る人間がちらほらといたのだ。念のため用意していた記念品を配ってはみたが、彼らがこのお祭

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第17話

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第16話

          「お久しぶりです、殿下。本日もご機嫌麗しく……」 「麗しいように見えるのかしら?」  うふふ、と微笑む顔は完璧に整って晴れやかだが、その心中では嵐が吹き荒れていることだろう。身体の前で組まれた手は強い力で握りしめられ、皮膚に皺を刻んで震えていた。  ぎゅうううううっ、と強い音が聞こえてきそうだ。  一体どうするのかとハラハラして見守っていると、ルディは一度王女を見つめてから目を伏せ、そうして静かに再び口を開いた。 「申し訳ありません。少々配慮が欠けていたようです」  殊

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第16話

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第15話

          「ごきげんよう、ジュリア・レーゼルバール。突然の訪問の無礼をわびるわ」  その言葉はとてもわびる人間のそれではなく、その背筋はしゃんと伸びて毅然とした態度だった。  馬から下りることすらしないその視線は、物理的にも精神的にもジュリアを見下ろしている。 「ごきげんよう、王女殿下。本日はわざわざこのような辺境にまでおいでいただき、誠にありがとうございます」 「余計な挨拶は結構。貴方の見苦しい礼など見たくはないわ」  ならこんな場所に来るんじゃねぇよ。  とはさすがのジュリ

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第15話

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第14話

           パンパカパーン、パーパーパーパンパカパーン!  早朝から鳴り響く管楽器の音にジュリアはたたき起こされた。玩具のラッパとは違い、随分と迫力がある。  眠たい目で時計を確認すると時刻は朝4時頃を示している。 「ちょっとぉ、一体何事ぉー?」  事態を確認しようと目をこすりながら声を上げると、それに応えるようにばたばたとこちらに駆け寄ってくる音が響いた。  派手な音を立ててドアが乱暴に開く。飛び込んできたのは執事のバルトだった。もう老齢の彼はあまりにも慌てすぎてどこかに腰でも

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第14話

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第13話

           三日月が雲の隙間からわずかにのぞいていた。ベネノの森はおおい茂る葉に更にそのただでさえか細い光を遮られて闇に包まれている。  その中に一人、蠢く影があった。 「後もう少し……」  わずかに差し込む光に照らされた瞳は翡翠色をしていた。彼は傍らの木の枝を手折る。それを検分しながら、呟いた。 「後もう少しで俺の望みが……」  囁きながら、その足はまるで光から遠ざかるように闇の濃い方へと進んでいた。その仕草は酷く手慣れていて、明かりも持っていないのに何かにつまずくこともなく

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第13話

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第12話

           周囲がピンと張り詰め、二人が対峙したまま事態は膠着した。しかしそんな緊迫した空気を無視してかかるとぼけた声がある。 「やぁやぁお父様、落ち着いてください」  それはアレッタの婚約者であった。彼は余裕綽々の態度で眼鏡を押し上げると、懐から何かを取り出すとそれを高々と空にかかげて見せた。 「ところで、このようなものをこちらの山で見つけたのですが、これは一体なんでしょうね?」 「それ……っ」  かかげられたのは根元から葉の先にかけてブルーからピンクへとグラデーションがかか

          [小説]デブでブスの令嬢は英雄に求愛される 第12話

          [小説]やさしい吸血鬼の作り方 12

          「ねぇ、見てあれ……、本当に大丈夫なの?」 「お隣のサイナさんちの弟さんが殺されたんでしょう?」 「キナロが決めたらしいわよ。とりあえず監視するって。さっさと捕まえるなり殺すなりすればいいのにね」  ひそひそと、大してひそめてもいない声でこちらにがっつり視線を向けつつ主婦達が井戸端会議をしている。しかしそれもミヤマが瞑っていた目を開いて一瞥するだけで散り散りにばらけていった。 (その程度で怖がるぐらいなら最初からやんなきゃいいのに……)  うんざりとカヅキはミヤマの隣で

          [小説]やさしい吸血鬼の作り方 12