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私のイチオシ「テレワークは会社として儲かるのか?」検証ポッドキャスト

こんにちは。アライ@翻訳です。

これは、読んでもらうために書いている文章ではなく、聴いてもらうための文章です。音声版を同時配信していますので、そちらを是非お聴きください。リンクはこちら

今回は、私が最近聴いたポッドキャストの中でも、「おぉ!」と思った一本をご紹介したいと思います。

今年に入って、テレワーク、在宅勤務、というような言葉を本当によく聞くようになりました。今までは、フリーランスや、有名なIT業界だけの当たり前だった働き方が、今では一般市民にとっての当たり前となりました。

今回のポッドキャストは、そのテレワークが会社として儲かるのか?という答えを導き出している一本です。

1.番組紹介

番組名は「Hidden Brain」。人間行動の不思議を紐解く番組で、心理学から脳科学、人類学から社会学に至るまで、様々な角度からエピソード毎のテーマを追求していきます。以前、脳が活性化されるポッドキャストとしてもおすすめしたことのある番組です。

2.テレワークはどうして進まなかったのか?

今回のテーマであるテレワーク。日本では、緊急事態宣言が解除されてから、「全員出社」という以前の当たり前に戻ったところも多い様です。結局「テレワークが進まなかった」というタイトルもWEBメディアやテレビでご覧になる方も多いのでは。

では、なぜ進まなかったのか?理由は会社として成功体験が得られなかったからに尽きると思います。例を挙げるとすると、テレワーク用の準備として、社外から安全にアクセスできるセキュリティーシステムがなかったとか、ZoomやSkype、Slackなどのアプリをみんなが使いこなせなかった。もう一つ大きいのは、みんなが出社しない中でも、オフィスの家賃を払い続けなければならなかったという事もあるでしょう。

細かい出費がかさむだけでなく、使ってないものにもお金を払い続けるという、ダブルパンチ。

また、従業員側の不満としても、家だと子どもがいて集中できない。気が散ってしまう。はたまた、一人暮らしだと孤独を感じてしまうなど、精神衛生的にもあまりよくなかった、という話も聞きます。

こういうマイナスイメージが大きかった体験なだけに、出来る限り以前の当たり前に戻ろうとする動きが多かったのだろうと思います。

3.テレワークは会社として儲かるとしたら?

今回のポッドキャストでは、そんなテレワークにマイナスイメージを持っている方にはちょっと面白い実験をしています。

中国は上海にある旅行会社が実験台。千人規模の会社の中で、ボランティアを募り、半数はテレワーク、もう半数は普通通り出社という環境を9か月間実施しました。

もちろん、テレワークをしている従業員のパフォーマンスが落ちてくるんですが、その落ち方に対して、出社しなくてもいい従業員が半数いることによるオフィスの家賃の節約分を換算し、要は会社全体としては儲かるのか?という事を検証したんです。

この実験期間、テレワークを実施した従業員も、週5日のうち1日はミーティングやトレーニングなど、同じ空間である必要がある仕事のために出社。事業に大幅な影響が出ないようにバランスを取る形で実施されました。

その結果は…会社全体としては、生産性が13%も上がったという結果となったんです!

4.残る課題

今回の実験の舞台は上海という非常に家賃が高い都市。また、この会社もスタートアップだったため、成長率が非常に大きいフェーズでもありました。そんな中、CEO自らが効率よく素早く利益を上げる施策の1つとして、テレワーク導入を検討している最中にこの実験が行われました。

会社全体の利益としては、生産性が上がる結果となったものの、もう一方でまだまだ課題も出てきたようです。

それは、テレワークを実際に9か月間実施した従業員のケア。やはり孤独感を感じたり、仕事の生産性が落ちてしまう事に対するストレスが徐々に増えてきて、実験終了後には「オフィスに戻りたい」という人が多く出たそうです。

ただ、フィードバックには個人差があるのも事実。それぞれによって家庭環境だけでなく、住んでいる家のレイアウトだったり、インターネットの環境が整っていなかったりすると、精神的な問題だけではなく、物質的に解決しなければならない問題も多く出てきます。

このポッドキャストの後半では、社会階級によるテレワーク導入の違いや、テレワークになって変わった身体障害者や移民としての気づきなど、様々な従業員側の視点も紹介されています。

5.最後に

今回は、2020年の流行語にもノミネートされた「テレワーク」という言葉。実際に経験した方も多かったからこそ、結局効率が良かったのか悪かったのか?振り返るきっかけになるようなポッドキャストをご紹介しました。

今まさに通勤電車に乗っている!という方も、家で仕事をしているという方も、是非聴いてみてください。

それでは、次回のnoteで。

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