見出し画像

飛び越えた先には、何があるかな。

学んだことはたくさんあるのに、いや、ありすぎてなのか、どうにも消化できていなくて思いっきりnoteの締め切りを過ぎてしまった。ごめんなさい。

最近、わたしは第二次思春期なのではないか?と馬鹿みたいなことを思ってしまうくらい、自分について考えつづけている。

でもまずは、学んだことをちゃんと自分の言葉にしないと。そこからまた、ヒントが見つかるかもしれないから。


***

言葉の企画第5回では、映画をテーマにした「NAVERまとめ」をつくるという課題が出ていた。

わたしは映画について詳しくないし、NAVERまとめを見る機会もあまりなかったので、どういうことができるのかイメージが湧かなかった。
発表された時点で、何をしたら良いかわからない、と最も感じた課題だったと思う。

数日間はただなんとなくNAVERまとめ内をサーフィンしたり、「読まれるNAVERまとめ」というテーマのNAVERまとめ(目の付け所がうまいよね)を読んでみたり......
でもはたと気付いた。
いまあるNAVERまとめの文脈に乗っかってはだめだと。

阿部さんに教わった「そもそも」「たとえば」「つまり」というキーワードをなるべく意識するようにしていて、
今回は「そもそもNAVERまとめをつくる、とはなんだろう」と考え始めたところから自分の思考が捗っていった。

そしてわたしの中で出た答えは、「NAVERまとめをつくることは、本のフェアをつくるようなものである」だった。


書店で行われているフェアは、書店員さんがテーマに合わせて選書しているものもあるけれど、わたしたち出版社の社員(おもに営業部員)が企画しているものもある。

新刊に絡めることもなくはないけれど、基本的には既刊(過去に出ている商品)をテーマ性を持って再展開するのが本のフェアだ。
過去の展開や、ジャンルごとの棚での展開では目に留めてもらえなかった商品を、違う見せ方をすることで手に取ってもらえる機会をつくる。

NAVERまとめもインターネットの海に転がっている既存の情報を、ひとつのテーマを軸にしてまとめている。
何かコンテンツがあって、それに対するコメント(ツイート)があって、全部をひっくるめて一気に見られる。
あ、これってフェアにおける本とPOPの関係じゃないか、と。



自分の仕事に引きつけて考えると、どんどんアイデアが出てきた。
その中でもこれだ、と思ったのが提出した「映画のコピーと簡単なあらすじだけを先に紹介して、クイズっぽさもありつつ先入観なしに映画に興味を持ってもらう」もの。

阿部さんからの講評でも「文庫Xみたい」とコメントをいただいていたけれどまさにそうで。
あえて表紙を隠して売る、というのは本の世界では何度か行われている試みだし、それによって意外な本との出会いが起こることをわたしは知っている。

でもこのやり方は映画の世界では(わたしは)見たことがなかった。映画は本以上に、監督やキャストなどの内容以外の要素が重視されるような気がした。だからこそ、映画でやってみたら楽しいかもしれない、とひらめいた。

結果として、何人かの企画生に「おもしろかったよ」と声をかけてもらえた。自分なりに発想を変えて考えてみたことが、ちゃんと人に伝わったんだと思うと嬉しかったな。


阿部さんの言う「王道を追求するか、裏道を発見するか」でいうと、あるジャンルの王道が別のジャンルでは裏道になるということ。
だからもっともっと、見聞を広げていかねばと思う。



ただ、やりきれなかったなと思ったのは、選定した映画に「自分らしさ」をあまり出しきれなかったこと。
好きな映画を集めたけれど、そこにメッセージとか伝えたいテーマを込めきれなかった。
結局いつも、「自分」を確立させるということに行き着く。

阿部さんからのコメントも、「あなたがどんな傾向の作品が好きなのか、それをまたことばにしていけるといいね」。


こうしてわたしを見守るようなことばをかけていただけるのは、ほんとうにありがたいことだ。そう、しみじみ思うのです。


***


1年くらい前から、わたしよりも若くて、どんどん行動して結果を出している人たちを見て、良いなぁすごいなぁ、わたしはなんて無駄な歳を重ねてきたんだろうと思っていた。
もちろん仕事ではそれなりに成果を出してきたし、蓄えてきたものもたくさんあるとは思う。だけどまだ足りない!と焦る気持ちがあった。


でも最近は、数年なんて誤差だと少し思えるようになってきている。外の世界に出て勉強してみたら、とっても楽しかったからかもしれない。
村上春樹も「30歳成人説」を唱えていることだし。わたしだってこれから、これから。そう言い聞かせて。


秋生まれのわたしはあと数ヶ月で29歳。
(さそり座の女なのです)
空気がひんやりしてくると、空が高くなると、ああもう1年経つのかと毎年思う。

わたしはほんとうの思春期に悩まなさすぎたのかもしれない。思わず苦笑いが漏れるけれど。
そのぶん、いまめいっぱい悩んで、あがきもがいて、飛び越えて行くよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?