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視察報告 地方議会議員セミナー「進む教育改革~足立区の不登校対策と学力向上策」 尼崎市議会議員 池田りな

こんにちは。尼崎市議会議員 池田りなです。先日参加した。地方議会議員セミナー「進む教育改革~足立区の不登校対策と学力向上策」について書きます。

 東京都足立区では、子どもの政策に力を入れています。貧困の連鎖を区内の大きな課題の一つとして、2015年度を「子どもの貧困対策元年」と位置付け、全国に先駆けて「未来へつなぐあだちプロジェクト(足立区子どもの貧困対策実施計画)」を策定しています。生活困窮世帯を対象にした居場所事業を認定NPO法人カタリバが受託し、困難を抱える子どもたちの居場所を提供する「アダチベース」を運営しています。

令和4年度における区立小・中学校において、対前年度増加率並びに不登校生徒の割合は、国及び東京都の数値を下回っています。個々の不登校の状況に応じた多様な支援を、継続的に実施してきた効果が現れているのではないかと講師の先生が述べていました。

2024年4月には、私立の学びの多様化学校「東京みらい中学校」(不登校特例校)が開校されます。同校は、不登校児童・生徒を対象に編成した特別なカリキュラムに基づき教育を行う国指定の学校です。

尼崎市が参考にしたい足立区の取組「不登校児童・生徒数の未然防止事業」を3点あげます。1点目は、教室への入室が困難な生徒や一時の休息が必要な生徒に対して、気兼ねなく過ごすことができる部屋を校内に設置していることです。登校への敷居を低くすることで、不登校を未然に防止、学校長OB等の指導員が学習指導にも対応しているそうです。この事業は、効果が出ており、令和5年9月議会に「登校支援室(仮称)」 六月中学校で実施されたモデル事業、不登校未然防止事業を足立区全小・中学校で行うことを求める請願も市民から提出されています。

尼崎市においても令和6年度より不登校の未然防止の視点から教室での学びに「しんどさ」を抱える児童生徒の居場所・回避場として『校内サポートルーム・エリア』が整備されます。先行する足立区の登校支援室を参考すべきだと考えます。

2点目、登校支援GUIDEを作成し全世帯に配布していることです。不登校はどの子にもおこりえうるので、子どもも保護者も行政民間の支援を知る必要があります。尼崎市では「不登校の子ども理解支援ハンドブック」が作成されていますが全世帯に配布は行っていません。


▶東京都足立区 登校支援ガイド|足立区 (city.adachi.tokyo.jp)

3点目は、13日以上欠席した場合、学校・ソーシャルワーカー・スクールソーシャルワーカーが中心となり支援シートを作成し、毎月報告する取組です。文部科学省は、不登校児童生徒を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的理由による者を除いたもの」と定義しています。足立区のように早い段階から学校に行きづらい子供たちを支援していく必要性があります。

次は、学力政策についてです。成績上位で学習意欲も高いが、家庭の事情などにより塾等の学習機会の少ない生徒を中心として、民間教育事業者を活用した指導力の高い講師による学習機会を提供する「足立はばたき塾」です。塾生たちは、民間学習塾でもトップクラスの講師の下、他校のライバルたちと切磋琢磨し、志望校の受験に挑んでいます。

尼崎市でも親の経済格差が子どもの教育格差にならぬよう、塾代・習い事助成を提案していますが、予算がないという理由で実現に至っていません。「足立はばたき塾」のような、塾代助成だと助成人数も少なく実現可能性があると感じました。引き続き、足立区のような塾代助成も提案して参ります。

▶足立はばたき塾https://www.city.adachi.tokyo.jp/gaku-tei/k-kyoiku/kyoiku/habataki.html


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