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きたいされねど われつづる

【文字数:約2,100文字】

 #創作大賞2023の#イラストストーリー部門に投稿した、『OFF / SHOT』を紹介してくださる方がいた。


 7月に入ってから存在を知り、死にそうになりながら規定の下限となる2万字を満たし、どうにか投稿したのは10日くらい前になる。

 こうして晴れやかな気分で振り返れるのも「やりきった」と思えるからで、形のないものを紹介することはできない。

 自身としては至らない部分も感じつつ評価してもらえるのは嬉しく、全体の流れを踏まえた感想というか考察は、すくなからず今後の糧となる。

 この場にて、紹介してくださった方に感謝を。ありがとうございます。

 ◇

※ ここからは愚痴です。





 死にそうになりながらPCに向かっているとき、過去においても似たようなことがあったと懐かしみつつ、舌の上には苦いものが広がっていた。

 とある公募用の作品を書こうと決めたのが締切の2ヶ月前で、たしか長編に分類される10万字を目標としていた。

 構想とかの準備段階を考えれば無謀というか、そもそも始めることなく諦める状況なのだけれど、そのときは「いける」と思った。

 それなりに好評だった作品の番外編という位置づけで、設定などは共有できそうだし、なにより「書いて欲しい」との要望をもらえたのが大きい。

 とはいえ、2ヶ月で10万字というのは1ヶ月で5万、1ヶ月を4週として1週間だと1万2千弱の計算になる。

 計算上は可能であるように見えるけれど、1日ぶっ通しで休みなく2ヶ月を費やせるはずもなく、日々のノルマは精神を追い詰める。

 気分転換もできず日を追うごとに楽しくなくなり、ただただ空白を埋める作業と化す。

 もちろん楽しさが皆無とはいわない。ただ、絵を描くのに絵の具ではなく血で描くようになった、みたいな消耗する日々が続く。

 他の人がどうか知らないけれど集中して創作に取り組んだ後は、自分のでない物語を摂取したい欲が強くなる。

 至らなさとか引き出しの少なさを感じて、それらを補いたいという渇望みたいなのが理由で、たとえば日中に5,000字を書いて夜に本を1冊読むとか、およそ人間的とは言い難い生活になる。

 それでもどうにか規定を満たし、投稿を済ませた後は今のような晴れやかな気分だったと記憶している。

 死にそうになりながら書いたとしても、その努力は評価される項目でないのは理解している。

 ただ、あのときは番外編として始めたのであり、つまり「二番煎じ」としても間違いではなかった。書いて欲しいと要望した人が、ほとんど無視するような形だったのもツラかった。

 続きが読みたい、そう言ってもらえるのは創作者として嬉しいことだし、私自身も形にしたい欲があり、両者の願いは一致していた。

 ちやほやされ天狗あるいはピノキオになり、自らの技量を過信した結果、盛大に自爆したのだろう。

 とても恥ずかしかった。なにより自分自身で作品を貶めたという思いが、私を創作から遠ざけた。

 ◇

 気軽に続きを読みたいと願うのは私自身もよくやっているし、ありがたいことに今も気まぐれに書いたものを予告編として、「からの~?」と期待してくれる方がいる。

 気が向けば私もそれにのっかるし、おもしろい着想が得られるときも多い。

 ただ、それは自分の技量とか余裕を見極めた上で、ある程度は納得できるものになることが条件だ。

 今回の#イラストストーリー部門の場合、スケジュールに余裕がまったくなかった。にもかかわらず書こうと決めたのは、「楽しそうだ」と自分で背中を押せたからだと思う。

 だれそれが望んだから、という言い訳が使えない状況は怖いけれど自由であり、たとえ評価されなくても傷の治りが速くて済む。

 記事を紹介すると本人宛に通知が行くし、webに公開すれば無反応も含めて、何らかの反応がある。

 noteでコメント欄を解放している以上、耳というか目に痛いものが飛んでくる可能性は捨てきれず、それを嫌って有料会員となりコメント欄を閉じている人が散見される。

 自作に絶対に自信があって、俺の私のメシを文句いわずに食え、という姿勢に敬意を持つ一方で、「このように読んだ」というコメントは得られない。

 嬉しいコメントは何度よんでも嬉しく、そのときから自分はどのように活動してきたかと、その度に振り返る機会を与えてくれる。

 私自身は心に残った記事などについてコメントすることが多いけれど、なぜか返信がない、その後の更新が途絶えるといった場合がある。

 好き勝手に書いてるつもりが見つかって、居心地が悪いと感じたからだろかと推測しつつ、もったいないなぁと勝手に思っている。

 誹謗中傷で心を折られたとかの話は絶えないし、私も応援するつもりが中傷になっていた苦い記憶があるけれど、言葉は包丁と同じで人を傷つけもすれば、美味しい料理を作る道具にもなるわけで。

 そのようなことを『OFF / SHOT』には込めたつもりで、もうすこし2人が銃を向ける場面は深掘りしたかったと思いつつ、あれが自分のできる精一杯だった。

 わりと謎な終わりであるにせよ後悔はしていない。それは本当だ。




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