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POM

hat「それでは一度直接会って話をしたのですがご都合のいい日はありますか?」

僕「いつでも大丈夫です」

hat「明日の18時頃はいかがでしょうか?」

僕「わかりました」

翌日僕はhatというニックネームの人と川沿いの近くにある公園で会うことになった

第一印象はなんかお金もってそうなイケてる人っていう印象で年は20代ぐらいなのかなと感じた

hat「君がそう?WW」

彼は僕があまりにも若いことからこみ上げるものがあったみたいだ

僕「そうです!宜しくお願いします!」

hat「ちょっと若すぎるよWW仕事なんてやったことないでしょ?WW」

僕「ないですけどお金が欲しいんで頑張ります」

hat「うーんWWW一応聞くけどなんでお金が欲しいの?」

僕「発電機を買わないといけないんです理由があって」

hat「発電機???なんで?」

僕「それは言えないです」

秘密基地という名の通り僕は基地の事を身内以外に口外しないためにも理由は答えなかった

僕「ちなみに何をするんですか?」

hat「ごめんけどもっと大人が来ると思っていたから君に今回の内容を話すことも一緒に仕事することもできないかな」

僕「一回だけやらせてもらえませんか?やったこともないのに決めつけれるのも嫌ですし僕家に帰ってもだれもいないんで親にばれるなんてこともないので」

hat「いやー厳しいね。でも今回の話じゃなくて別の話なら話してあげれるかも・・・」

僕「それはどういう内容ですか?」

hat「それは」

そういうとhatは淡々と話しをし始めたビジネスとは全く無縁で仕組みもよくわかっていない僕は言っていることを理解するのに必死だった

幼いがゆえに仕事ができないというレッテルを張られるのがすごく嫌だったのでとにかく分かったふりをしながら聞いていた

難しい内容は全体像で見ればシンプルな話で

いわゆる効果があるかどうかもわからないサプリや健康食品だったりを効果があるように誇張して無知なお客さんに高値で売りさばいていくという内容の話だった

ネット上だけで完結する話なので合う必要もないし僕の紹介といえば別の人が僕のところに直接現金を持ってくれるということから僕は引き受けることを決めた

商品の概要を送ってもらいこれをSNSや別の媒体で発信していきクレーム対応などは一切なして効果は個人差があるとかいって無理やり売りつけるそんな感じの内容だった

でも僕はこの話のどこがグレーかもわからなかったし騙されるほうが悪いだろと思っていたのでその日帰ってから早速SNSや安っぽい広告の出し方などを調べていた

楽勝だろと思いやっていたのにいざやってみると難しいこれ誰も興味を持ってくれないしスルーされるし
だけどhatさんの知り合いのアカウントを見ると問い合わせも含め契約もしている感じだった
何が足りないんだろう思い僕はその人のアカウントを過去にさかのぼり徹底的に調べていった
更新がとにかくマメで返信も早くポジティブな意識にもっていくように説得している様を見て僕は勉強しないとなと感じた
固定給なんて優しいものではなくて完全歩合の仕組みだったのでとにかく誰でもいいから一人に買わせて報酬を受け取り発電機を買う必要があったので一番単価の高い高級な美容器具というものを売ると決めてそれにあうターゲットを探していた

まだまだガキな僕は少ない知能で連想ゲームを始めた

美容に興味がある人→年を重ねた人→お金持っている人→小金持ちの主婦という単細胞な思考回路だったんだが結果としてこの予想は全く外れることになる

営業をかけてもかけても返信もなければ反応もない

そこで思い切ってターゲットを変えてみた

美容に興味がある人→若い人→情弱な人→お金はそこまでもってないけど借金させればかえる人

方向転換すると面白いぐらいに返信が来た
商品の内容を詳しく聞いてきたり効果についての質問やその質問しているのを見て興味を持つ人
バズったというには程遠いいがターゲットを絞ってアタックしているとビギナーズラックというのかそこから契約に結びつきそうな人が2人でてきて一人は検討するとのことで一人は支払い方法について聞いてきた

ここまで段取りよくいくとも思っていなかったし金額が高いため僕は焦ってしまい急に返信が遅くなり内容もしどろもどろになりうまく答えることができず不信感を膨らませ失敗に終わった

経験に対する結果の意味を少し学んだ気がして失敗とは言えうれしい気持ちになりすぐに作業にかかった

契約して決済が終われば僕の元にお金が来るまでに1日もかからないという内容だったので僕は必至に頑張った

そして毎日基地に通いながら作業をし神山にも手伝わせてあろうことか神山が契約を決めてきた

僕は悔しい思いもあったがとにかくうれしく神山とハイタッチをし彼の栄光を称えた

神山はまんざらでもない顔をしながら

「俺天才だから」といい放ち笑っていた

罪の意識なんてない僕たちはあまりにも短期間で契約を決めてしまったことから天狗状態になりかけていた

hatに連絡し契約ができたことを伝えると「了解」の一文字だけ返信がきてそれ以降連絡が取れなくなった

そしてやられたと気づいたのは3日後連絡先が繋がらくなってからで初めて人に騙されたんだと悟った


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