「女子トイレのOL」はいつの時代も存在する

かなり昔に私は一般企業でOLをしていた。

そこの会社は何個か拠点があって
コミュニケーションを図るために年に一回
ひとつの拠点に集まって仕事をするという行事があった。

私がいた部署は、割と男性陣も若くてイケメンが多かった気がする。

会議の初日の昼休み
ふとトイレに行くと、鏡の前には"お色直し"中の女子たちで溢れていた。

いつもは化粧直しをするタイプの人間ではない人たちだ。
これは、一番近くで見ている私が証明する。

明らかに、男性陣が全員集合しているため
「オンナ」としての意識が爆上がりしてた。

ホットビューラーでまつげをあげて
リップを塗り直して
ファンデを叩き直す。

確かに同じ女性として気持ちは分かるけど
なんだか急に嫌悪感が溢れてきた。

案の定、イケメン営業マンと話す時は
目はキラッキラで顔はほんのり赤くなって
(ここで吐き気がした。笑)

だいぶ意識してるのがわかる。

私は、将来「お局ババア」になってしまうのだろうか。笑
どうしても、「男がいるときだけ女になる」という感覚が分からない。

こんなことを語りだすと
「自称サバサバオンナ」だと思われてしまうかもしれない。

だけど、「いつも通りの自分」を好きになってほしい私は
獲物が来た時だけ本気を出すというスタイルにはどうもついていけない。

でも、こうやって女子トイレで「いざ!」というときに
気合を入れるOLは、きっとどの時代にもいるんだろう。

個人的な体感だけど
ガチガチにメイクして、「ちょっといつもと違う私」を見せつけるよりも

いつも通りの自然な自分でいるほうが
断然男性の気を引くのではないかと思う。

もちろん
誰がどう見たって「汚い」メイク崩れや、ヘアが乱れているなら
当然「身だしなみ」として整えるべきだけど

「今日のために張り切ってきたの!!!」
を見せるよりも

他の女子が、バーゲンセールのおばさんのように
トイレに血眼になって駆け込んでいる間に

「私はいつも通りです」って
スンってデスクに佇んでたほうがよっぽど目立つ。
(もちろんいい意味で)

実際に私と仲良くしてくれていた、とっても美人な先輩は
みんながトイレに駆け込む時には必ずと言っていいほど紛れてなかった。

「いつメイク直ししてるんだろう?」

そう気になるくらいずっとオフィスにいるか
コーヒーを作りに給湯室に行ったりして

なんだか私は、イケメン営業マンを狩るために
必死に準備をしている女子たちよりも
はるかに「大人の女性」に見えた。

今思えば、美人先輩のベクトルは
イケメン営業マンたちではなく
すでに存在している”大切な人”に向いていたため
男性陣が全員集合しても特に何も感じなかったのもあるかもしれない。

周りがキャーキャーして
バタバタしている中、一人で優雅に余裕があるように見えたし。

結局、あれから数年が経ったけど
私の部署では、その美人な先輩だけが結婚し
今では子供もいる。

何もかもが余裕がなくて
周りの子どもっぽい女子とは
最初から見ている観点や価値観が違ったよう思える。

女を忘れろとか、そういうことを言いたいのではなくて
個人的に、誰かと群れてるくせに
結局はその誰かと戦うみたいな構図が嫌い。女子社員による、イケメンの取り合い

女性特有の習性なんだろうか。
能ある鷹は爪を隠しておけばいいのではないのだろうか。

私は、そんなことよりも
美人先輩が背中で教えてくれたように

「なんか気になる存在」
「我が道を進んでいる」
「周りとは少し違う」

そんな自分を貫いている、余裕のある大人の女性でありたい。


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