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褒めない・𠮟らない子育て/保育


アドラー心理学の本を読んでいると「褒めない・叱らない」育児/保育という言葉を目にする事がありませんか?

これはアドラー心理学に限らず、最近は育児に関する情報を読むとよく目に入ってくるようになったように思います。

この一見すると誤解されがちな「褒めない」そして「叱らない」子育てというのは、実はとても単純な、言葉の違いなんです。


アドラー心理学で「褒める」という事は「ご褒美」と同義語になっています。

ご褒美はある意味子どもを動かすとても簡単で早い方法でもあるのですが、それはイコールで常にあげ続けなければ、その子はご褒美が、つまり褒めてもらえないのであれば何もしなくなる、という事に結び付くので、あまりお勧めしません。

しかも子どもの欲しいものも進化してくる!

小さい時はそれこそシール一枚で喜んでくれていたものが、段々と高額なものを欲しがっていったら大人の方のハードルも上がっていきますよね。

褒める事も、「偉いね」「すごいね」なんて言葉は段々聞き飽きてきて意味のないものになっていきます。

褒める言葉選びも結構重要になってきます。



そして「叱る」という事は「お仕置き」と同義語で考えています。

「怖いから、怒られるからする、もしくはしない」というのもある意味早くて簡単な解決方法です。

ですが、子どもも成長してくると段々「見つからなければいい」という考えになってきたり、怒られても気にしなくなる、何てこともあります。


褒めたり叱ったりしての解決は、短期的には上手くいっても、長期的にはあまり役に立ちません。


だからアドラー心理学では「褒めない、叱らない」を推奨しているんです。

長期的なゴールは、確かに最初のうちには時間もかかるし大変でもあります。

ただ、長い目で見た時に、これからその子どもと長期間付き合っていくのであれば、断然違う方法を取る事をお勧めします。



それは「褒める代わりに解説」「叱る代わりに説明」です。



例えば子どもが自主的にお手伝いをしてくれた。

そんな時に「○○君/ちゃんはお手伝いして偉いね」という代わりに「○○君/ちゃんは自分からお部屋の片づけをしてくれたんだね」という、子どもがした事をそのまま言葉にする。

つまり解説するんです。

そしてそれに対して自分が思った事や感じたことを付け加えると更にGood!

「○○君/ちゃんが片づけをしてくれたからすごく助かったよ、ありがとう」なんて感じで。


逆に何かして欲しくない事をした時、例えば触ってはいけないと言われていたものを触って、しかも壊してしまった。

「触らないでって言ったのに何で触ったの⁈」と𠮟るのではなくまずは何故触ったのかを聞いてみる。

子どもなりの何か理由があるのかもしれないですからね。

その上で何で自分が触って欲しくないと思っていたか、触った事でどうなるか、どうなったかを説明します。

「XXが壊れてしまったんだけど、あれはお母さん(お父さん)にとってとても大切なものだから壊れて欲しくなかったんだよ。それに壊れた破片を触ったりしたら○○君/ちゃんが怪我をしてしまうかもしれないよね?だから触らないでね、って言っていたんだよ。」

こんな風に自分の気持ちを入れた上での説明の方が、ただ「ダメでしょ」「言ったでしょ」というよりも子どもに伝わります。

何故それをするのか、しないのかという理由を説明されれば、自分の行動に対して納得して動くことが出来るようになるので、誰かに指示をされなくても子どもが自主的に、自分で考えて行動出来るようになります。


どういう状況でも、何歳になっても、人に言われてするよりも自分で決めた事をする方が気持ちいいですもんね!


褒めたり叱ったりする事が絶対的にダメな事ではないし、してはいけないというわけではありません。

時と場合によって使う事だって、必要な時だってあります。

ただ、常にそれだけを使っていると、将来的には大人の方が大変な目に合うので、出来るだけ早めに「褒める&叱る」から「解説する&説明する」にシフトチェンジした方が私たち大人にとっても楽な時間は結果的に長くなるし、子どもも自分の責任において行動出来るようになります。


長期的解決法と短期的解決法、どちらも使いつつ、少し長期的な方の割合を多くしてみる事から始めてみませんか?







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