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龍馬は笑う

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不定期の連続小説。
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龍馬が笑う No.2  「厄介な同居人」

龍馬が笑う No.2 「厄介な同居人」

玄関を開けると、宅急便配達人らしき人が立っていた。

「ども、しろいぬヤマトです。これ、ハンコお願いしまーす」

みると、ミカン箱ほどの段ボールが二つ積んである。

「え?どこからですか?」

「あ-、えっと 差出人は・・・坂本龍馬さんですね」

はぁ~?

荷物を受け取ってリビングに戻ると、彼の姿は消えていた。

「まったくもう、どうなっちゃってるんだろう」

奥の部屋で、なにやらガサゴソ音がす

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龍馬は笑う

龍馬は笑う

龍馬は笑う 第1話 「ナイトメア」

 その小さなおっちゃんとは、子どもの頃からの知り合いだった。
知り合いといっても、実際に知っているという間柄ではなく、私の夢によく登場する人物だった。らくだ色のランニングにステテコ姿、腹巻き、雪駄・・・はち巻こそしていないが、その頃テレビでよく見ていたバカボンのパパのような笑える格好で現れた。
彼が出る夢を初めて見たのはいつだったろう?小6に上がる春、交通

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