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星屑213 つかいすてばなし

2020年10月6日 (2023年2月7日加筆修正)
 5年半続いている星屑がなかなか書けなくなって、月一ごとの更新になりつつあります。どうしてか書き進めることができない、うまくまとめることができずに中途半端にたまった下書きを見て途方にくれるばかり。今までの書き方が合わなくあってきたのかしら、義務になりつつある更新が楽しくないのかしら、それとも激変した生活の中で、目新しいことを見つける余裕がなくなったのか。いずれにせよ言い訳にしかならないことはわかっているので、せめて私がいま一番書きやすい文体で進めてみています。
 ここ数ヶ月でおきた面白いことといえば、夏の終わり頃から知らない人に話しかけられる頻度が増えたこと。それも、男女二人組か三人組で、決まって女の人に「ここら辺でいい飲み屋しりませんか」と聞かれたりします。1回目は新手の宗教勧誘かと思ってとても警戒して、2回目はなんだ最近自粛明けでうろつくのが流行ってるのかくらいにしか思っていなかったけど、それが3回目を迎えるころにはあまりのデジャヴ感に笑ってしまい、私、そんなに飲みたがりの雰囲気を醸し出しているのか、ぼーっとしすぎて話しかけやすいのか。と思っていましたが、普通に宗教勧誘かネズミ講だったのでしょう。
 おすすめを聞かれて、教えた(何箇所か教えられるくらいには都会での生活が長くなった)後に適当に立ち話していると、そのうちの誰かと意気投合して改めて一緒に飲みに行くのもワンセットになりつつあります。本当はもっと警戒したほうがいいんだろうけど、尾道にいた頃の感覚で、知らない人とご飯を食べに行くことに抵抗があまりないのもあり、もし危なくなれば適当にかわせる処世術も身につけているし、行くお店は私が選ぶことが多いから知り合いの店も選べるし、もう会いたくないと思えば適当にラインでやりとりして適当にブロックすればおしまい。人と繋がること、縁を切ることが簡単な世の中になってしまったと思う反面、最初の方に切っておいてよかったと思うこともしばしば。
 誰もが簡単に繋がれる時代に、繋がり続けることは難しいし、少しでも違和感があると遠ざけてしまいます。そうやって選り好みするから、話せる人は増えても、仲良くいつでも誘える人にまではなりません。適当にその場をやり過ごして、適当にしているからきっとその時の相手も察してだんだん誘われなくなる、もしくは私が返事をしなくなる。なんてもったいない、と思わなくもないけど、そうしないと私の心の均衡が保てなくなります。生きづらいように生きているという自覚もあります。ざんねんな自分。
 それでも街中で声をかけてくる初見の人には十分に気をつけましょう。ふわふわしながら過ごしていたけど、無事でよかったと、二〇二三年になって思います。

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