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圧倒的PMS~生理なんか死ねばいい~

 目が覚めた瞬間真っ先に死にたくなった。最悪なゴールデンウィーク。
 もう4日前から私のなかは死にたさで満ちている。この宇宙一邪魔な子宮という臓器を外側から掻っ切って死んでやろうかと思ったが、そんな素敵な絵を描く力が私にはないし、このイメージを伝えきるだけの文章力も私にはない。すべて諦めて剣より強いらしいペンを投げた。

 毎月毎月懲りもせずにやってくるこの憂鬱な一週間は、最強のはずの私を無力にさせる。いつもならなんだってできるはずの若くて可愛い私が、ただの役立たずでかわいい私になってしまう。多少ニキビが増えようが造形の良さは変わらないから。端正な顔立ちで生まれてきたことだけが私の救い。勢いで捨てるには勿体ない容姿を大事に抱えて傷つかないようにしているけど、傷ついているのは私のなかなのだから意味がない。痛い。空っぽの子供部屋がきゅうきゅう痛む。私の体重は38キロだから、もう来なくていいんだよって繰り返し言っている。36キロのときも34キロのときも不定期ながら出血は繰り返されていた。体重が軽ければ軽いほどPMSは酷くなるらしい。 

 月の半分が慢性的な体調不良なんて認められたものじゃない。群発頭痛で死ぬ人がいるなら生理痛で死ぬ人がいてもおかしくないんじゃないの。別に今死んだってこちらとしては一向に構わないのだが。ふらふらと二階へ上ってゆく魂はほっといたらあの人の元へ消えてしまう。こういう時は未来の予定について考えて、来月はライブがあるから死ねないねとか笑い飛ばすべきものだ。

 しかし予定なんかなくたって私は可愛い。10人いたら8人は可愛いって言う。まあだからせめて47くらいまでは生きててもいいんじゃないか。こういう結論に毎月落ち着く。

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