月明かりの下、私と私の弁証法
なんだか温かい国というイメージがあるスペインも、冬はしっかり寒い。片田舎だからか、相当な数の家に暖炉があるとみえて、外を歩くと煙の匂いがたちこめている。村の外に出ると、どこか遠くで、チェーンソーで丸太を切って薪にしている音が聞こえる。私にとっては慣れない冬の風物詩といったところだ。
私の家は100年くらい前に作られた家の、元々は家畜の食べる干草を入れておくためのスペースだったそうだ。今はなぜか日本からやってきたアラサーが住んで寒い冬をやり過ごしているのだから、巡り合わせという