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【エッセイ】頼もしき息子たちへ

サッカーが好きだ。ただし日本代表限定だ。試合を観戦するのは日本代表戦だけである。
もう20年近く見続けている。三浦カズがいた頃からずいぶんと強くなったものだ。スターが現れては消え、また次のスターが現れる。さらに強く、上手くなって。
香川、本田が現れた時に急激な強くなった気がする。ぼくには時代を変えた二人だと思える。長友も川島も内田もすごかった。

現在のスターたちもさらにパワーアップして頑張ってくれている。
頼もしい限りだ。
だからそれに呼応して、世間の期待もどんどん膨れ上がる。勝てば褒め称え、負ければ酷評される。負けの原因を追求して、その原因となった選手は戦犯扱いされる。

話は変わるが、サッカーファンの皆さんはレジェンドゴールキーパー川口のスーパーセーブ集を見たことがあるだろうか。変に思われるかも知れないが、私はそれを見ながら涙してしまう。よく体を張って日本のゴールを守ってくれたと。
ワールドカップの最初の得点となった中山雅史のゴールシーンを覚えておられるだろうか。彼はあの時、足を骨折していた。今でも目頭が熱くなる。
ロシアワールドカップのベルギーとの死闘を覚えておられるだろうか。柴犬が巨大なクマに戦いを挑んだような一戦だった。日本代表は死力をつくして噛みついた。幾多の試合を見てきたが、あのような悔しくも清々しく敗戦を見たことがない。

あのベルギー戦。不調の香川、長友が全盛期のような輝きを放った。酷評の中でベテランの川島は全試合ゴールを守ってくれた。自己顕示の旺盛だった本田は黒子に徹して頑張ってくれた。皆、苦しみの中から這い上がってきた。

試合をやっているのは人間だ。調子の良し悪しもあれば、悩み多き時もある。それを乗り越えて活躍できるのは、サッカーセンスのみならず精神力も人並みではない。我々に決してできることではない。

私は彼らを自分の息子のように思っている。みんなたくましくも愛らしい。ましてや息子たちに多くの感動をもらってきた。今もたった一試合だけミスをしたことでマスコミはコケ下しているが、私には彼らを責める気など毛頭ない。と言うか責める資格がない。過去の選手たちがそうだったように、その選手も失意の底からきっと這い上がってくる。私はそのプロセスを見届けその証言者になりたいと思っている。



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