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【魔法少女】【感想】アニメ『Yes!プリキュア5』〜決断力、仲間、希望〜

こんにちは、唐梨です。
今日は『Yes!プリキュア5』の感想について書こうと思います。
それでは早速いってみましょう。

※ネタバレを含むためご注意ください。



『Yes!プリキュア5』とは

2007年2月〜2008年1月にかけて放送された、シリーズ第4作目。
チームとしては3代目にあたり、翌年には同じチームで続編である『Yes!プリキュア5GoGo!』も放送されました。
プリキュアファンの間でもかなりの人気を誇る神作です。
妖精たちの故国であるパルミエ王国を甦らせるために、プリキュアたちが悪の組織ナイトメアに立ち向かう攻防を描いています。


そしてなんと2023年10月から、まさかまさかのオトナプリキュアとして続編の制作が決定!!!
15年の時を経てのリバイバル!!!
これを受けて、東映アニメーション様が太っ腹に『Yes!プリキュア5』『Yes!プリキュア5GoGo!』の全話を期間限定で無料配信してくださったたことから、今回の感想noteに至ったわけです。



けっこう喧嘩してる

そんな神作と言いつつも、まず最初に印象に残ったのが、けっこうみんな喧嘩してるということ。

特に物語の前半は、りんとかれんの反目だったり、のぞみのドジに起因する不和、ミルクのトラブルメーカーなど、「こんなに負の感情を抑えずに出すものなの?」とびっくりする場面もたびたび。特にトラウマ回と言われる23話は顕著です。



チームのしての結束力の強さ

しかし。

そのうえで思うのが、だからこそ歴代でもかなりチームワークが強く、統率力がとれているということ。雨降って地固まるを文字通り体現しているチームだなと思います。

というか、冷静に考えたら初期に人間関係の悩みが起きていたのも当たり前なのです。

今回のプリキュア変身者5人は学年も趣味もてんでバラバラ。さらに、のぞみとりん、こまちとかれんこそ物語開始時点で親友関係ですが、それ以外はお互いに初対面。まして、セーラームーンシリーズのように前世の記憶があるわけでも、最初から使命が運命づけられていたわけでもない。偶然をきっかけに、自分の意志で選択して変身した、プリキュアになりたてほやほやの者同士なのです。

今作はプリキュア5人と妖精3人で、歴代でも屈指の大所帯のチーム。そりゃほぼ初対面同士が8人もいて、「パルミエ王国を甦らせる」という大きな目的遂行のために行動していれば、何もない方が不自然というもの。

この「ただの寄せ集めの集団」から「固い絆で結ばれた、すばらしい統率力の、最強のチーム」に進化する過程こそが『Yes!プリキュア5』の魅力ではないでしょうか。



「コンビ」ではなく「チーム」であるということ

前述の「性格が反対の者同士が、プリキュアへの変身を通して、互いに心を通わせていく」という型は、何も『Yes!プリキュア5』に始まったことではなく、初代から続いているプリキュアの特徴的な型です。むしろここからプリキュアは始まったといってもいいでしょう。

ただ、『Yes!プリキュア5』が革新的なのは「コンビ」ではなく「チーム」であるということ。学術的な定義の違いは私には分からないので、極めて感覚的なことですが、チームであることによって組織っぽさが増すのです。

これの何が良いかというと、視聴者目線で汎用性が高くなること。大人ならば会社、子どもならば部活やバイト、両者共通ならば家族など、私たちは常に何かしらの組織に所属して人生を生きています。だからこそ、さまざまな人間関係が交錯し、さまざまな人間模様が織りなす様子を見ることができる『Yes!プリキュア5』には、現実世界でも大いに学ぶところのあるリアリティがある(当然ながら、ソロやコンビが悪いという意味では全くないです!どちらも良さがある!ニコイチの変身シーンだって最高!)。



ナイトメアとの対比

そんな理想の組織像の追求は、敵であるナイトメアとの対比で、子どもにもとても分かりやすく描かれています。

パワハラ渦巻く権力主義の、恐怖や自己保身や嫉妬にまみれたナイトメア。

はたまた、誰が1番偉いかなんてこともなく、各々がその場その場で、みんなにとって最適な行動をする機動力があり、お互いへの信頼があるプリキュア。

組織の構成員を使い捨ての駒として利用し、どんどん殉職していくナイトメア。

はたまた、絶対にこの5人じゃないとダメなんだと、強い気持ちで新たなパワーを手に入れていくプリキュア。

どちらがチームとしての理想形態かは一目瞭然です。よくかけがえのない仲間と言いますが、「かけがけのない」とは「他に代わるものがない」という意味それを文字通り体現しているのが『Yes!プリキュア5』のチームワークなのです。仲間とは、そういうことなのです。



夢原のぞみのカリスマ性の所以

そんなプリキュアチームの最強さの何よりの理由が、主人公である夢原のぞみの存在。プリキュアファンの間でも、常々カリスマ性が話題にのぼるキャラクターです。

では何がのぞみのカリスマ性の所以なのか?それは決断力と、決断した内容がぶれない意志の強さです。まさに彼女の口癖である「けって~い」に象徴されています。

一度決めたことは絶対に初志貫徹するため、このほかにも「そんなことない!」「もう決めたんだから!」「騙す方が悪いに決まってるじゃない!」といったセリフの数々で、敵の精神攻撃も全力で打ち返します。

この決断力と意志の強さは、あえて悪く言えば頑固です。ですが、のぞみの場合は、あくまで倫理的で人道的な方向性の決断に限られています。ですから良い意味での頑固なのです。彼女は明るい未来を決めつけるのです。決めつけてくれるのです。これこそが夢であり希望ではないでしょうか。

ど正論や綺麗事をいつ何時でも、どんな苦しい状況にあっても保ち続けられる。
ど正論や綺麗事を言われても反発心を抱かせず、それどころか希望を抱かせる。

周りを巻き込む力があり、周りに巻き込まれたいと思わせる人間的魅力があるのが、夢原のぞみというキャラクターです。それが人をしてカリスマ性と言わしめるのでしょう。



やっとわかったタイトルの「YES」の意味

『Yes!プリキュア5』がリアルタイムで放送されていた当時、私は10代の思春期の真っ只中でした。そのため、本来のプリキュアの適齢期は過ぎており、かといって大きなお友達として返り咲くにはまだ若すぎました。なので当時の私は「プリキュア好きなんてダサい」「ていうかタイトルの『YES』ってなんだよ、なんでそこだけ急にとってつけたような英語になるわけ?」と思っていたのです。

ですが、大人になった今、全話視聴してやっと分かりました。この「YES」は全力の肯定なのだと。

夢原のぞみを筆頭に、プリキュアメンバーは誰も否定しない。全力で肯定するし、全力で背中を押す。もし彼女たちが否定するとしたら、それは誰かが否定したとき。なんだか変な日本語ですが、否定だけは否定するのです(ここでいう否定とは、何かしらを貶めたり、価値をなくすかのようなネガティブなこと全般)。

そしてそれが彼女たちの強さの理由。とにかくまずやってみる。そして誰しもに、まずやってみる権利も自由も可能性もある。それを踏みにじることは絶対に許さない。個人的に『Yes!プリキュア5』メンバーは、コーチングやマネジメントもめっちゃ向いてる気がしますね。



最後に

まさかの、プリキュア5人と妖精3人のチームワーク総論だけで文字数がかさんでしまいました。本当は一人一人めちゃくちゃ魅力的な個性があるので、そこについては続編の『Yes!プリキュア5GoGo!』の感想にて書かせていただきます〜!

『Yes!プリキュア5』は第一話を東映アニメーション様が無料公開してくださっています。しかも常時!ありがたいですね!第一話だけでも、夢原のぞみの大いなる希望の力の片鱗が見て取れるので、まだの方はぜひご覧になってみてください。


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