「願立剣術物語」を読んで見ました。
原文
小利大損という事あり。
敵ひらりと上を打たんと見せればその小利の一方へつき九方闇と成り、
しかもその一方の上も中り下も中るなり。
利も損もなく小利の一方へ着かずは十方明らかなり。
ただ時々刻々に我独り立ち上がって見よ。
今の今を行くより外なし。
解釈
小さな利益を追って大きな損を得るということがある。
敵がひらりと上を打とうと見せると、その動きに心が執着し、その他の所は目が行かなくなる。
しかも、その上につられて下に隙ができれば、そこを打たれ、そこに気が行けば、さらに上を打たれる。
どうやったら防げるか、どうやったら打たれずに済むか、そんなことを考えなければ全体がよく見える。
ただ今の今に相手とかかわりなく立ってみよ。
自分の予測を手放して、今この瞬間に立って行くしか方法はない。
コメント
自分の予測は自分を封じ込める。
予測を手放したところから自分本来の動きが出る。
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