見出し画像

2002年からの武術エッセイ

仕事中 社内ではスリッパを履いています。
あまりにも忙しいので、だいたい3ヶ月くらいで壊れてしまいます。昨日スリッパを新しく買いかえました。
結構、丈夫そうなやつを選んだので、どこもかしこも分厚いかんじのスリッパです。
会社の女の子曰く「なんか、いつもの林沖さんの足音と違うから、誰が来たのかと思った。」
ほかの女の子達も、「やっぱ変だよ、いつもの林沖さんの足音と違う」などと、どうでもいいことで騒ぎ出した。
私曰く、「そんなら足音、消したろか?」
女達曰く、「そのほうがまだましかも・・・。」
私曰く、「そんなら、お望みどおり消したるわい!」

本当に足音を消してやりました。
そうしたら、こんどは「足音しのばせてくるなんて、なんか恐い!」と騒ぎ立てた。
私曰く、「いいかげんにしろ!いったいどうすればいいんじゃ!」
ある女の子曰く、「前のスリッパと同じものを買ってきて!」
私曰く、「おれは、君達のおもちゃじゃない!いいかげんにしろ!」

これだから女だらけの職場はいやなんだ。

でも、私にはそんなことよりも気になっていることがある。
足音を消そうと歩いていたとき、少し、いつもより呼吸が浅くなってしまったこと。若干ではあるが、息を吸う時間が長くなってしまったのだ。途中、意識を使って気を丹田に沈めてバランスをとるようにしたが、意識をつかわなければ、足音を消すときに呼吸が浅くなってしまうという、自分の未熟さに気がついた。
これは、おそらく、仕事をしているときの自分の身のこなしと、武術のときの身のこなしを使い分けているからだと思う。

私の目標は、仕事のときの身のこなしと武術のときの身のこなしを外見上同じにして、他人に違和感を与えないようなレベルまで持っていくことである。
今回のスリッパの件については、まだまだ武術の動きを使うと他人に違和感を与えてしまうということがわかり、自分の技量の未熟さを思い知ることができました。
足音を消しても「キモい」と思われないようなレベルをめざして精進していきたいと思います。

2005年2月記す。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?