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2002年からの武術エッセイ

武術をやりたいと思って、ずっとやりつづけてきました。
なぜかというと、べつに悟りたいとかじゃなく、サムライのようになりたいとかじゃなく、ひとをびっくりさせたかったからです。

なにをやってもうまくいかないじぶん。
なにをやっても不器用で、いつもひとに負けていたじぶん。
そんなじぶんがいやで、なさけなくてきらいでした。
でも、そんな自分じゃいやだったから、ずっとひとからばかにされているのがいやだったから、ひとがびっくりするくらい強くなりたい、ひとがまねできないほど、びっくりするようなことができるようになりたかったから、武術をやろうと思ったのです。

でも、そんなことすなおに言ったら、またひとからばかにされるから、精神修養とか、サムライとか、哲学とか、ひとからえらいとおもわれるような言葉でごまかして「ぶじゅつ、ぶじゅつ」とえらそうにさけんできました。

でも、やっぱり、それってひとをごまかしているっていうよりも、じぶんをごまかしているような気がして、とってもいやになりました。

だからすなおに言います。

わたしが武術をやっているのは、ひとがびっくりするくらいつよくなりたいからです。
どうにもこうにもだめな自分が、ひとがびっくりするくらいのわざができるようになりたい。それって、とってもおもしろい!
だから武術をやっているんです。

やれやれ、こんなことを確認しなきゃならないほど、私のこころは私自身にごまかされていたようです・・・・。
くわばら、くわばら・・・・・。

2005年5月記す。

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