短編小説「キャラクターたちの雑談」
俺はピカチュウ。そう、あの有名な、うん。
最近悩みがある。キングダムハーツのソラから電話が毎日来て、端末から離れても、思念を送ってくる。
一緒に「五等分の花嫁」の映画を観に行こうとうるさいのだ。
俺は、イーブイが好きだ。
宇多田ヒカルさんがコスプレをしたことで一躍脚光を浴びてしまったイーブイ。
あのあと、眠れないほどのスケジュールを組まされ、過労死寸前だ。
時にはシールにされ、あるときは着ぐるみとして登場する。
俺のイーブイ、最近は電話もできない。奴は忙しすぎる。心配だ。
イーブイの隣にはいつもミライドンがいて、その後ろにはコライドンが控えている。ミュウツーもいるのだが、イーブイとはそりがあわないようで、会話しているところを見たことがない。
LINEはやっていないイーブイは、ショートメールをたまに送ってくる。
「ねむい。つかれた。はらへった」
そんな内容に、おれは、少しほっこりする。おれには弱音を吐いてくれているんだなーとニヤニヤしてしまう。
ところで、もうすぐ進化の石が届く。ポケプラで注文したのだ。ポケポイントが貯まっていたし、送料も無料だったので、実質タダのようなものだった。イーブイにプレゼントしようと思っているが、受け取ってくれるだろうか?
あ、セーラームーンから電話が来た。
「もしもしーピカチュウ?あのさー今日ね、イーブイと現場一緒なんだけどさー、ちょっと来てくれる?」
「え?仕事なんじゃないの?部外者はダメなんじゃ?」
「んーまーそうなんだけどー」
セーラームーンははっきり言わない。なぜ急におれが呼び出されなきゃいけないんだ?まだコナンの続きを観ているから忙しいのに。ポケフリックスは観放題だからついつい連続で4時間はコナンを観てしまう。
おともにポンジュースと紅茶があれば最高の時間だ。コナンは面白い。ポケモンの世界にはない「殺人」というものがしょっちゅうおこっている。人が、死ぬ、そんな描写から始まるのだ。ポケモンでそれがあったら、なかなかの衝撃だ。
そんなことを考えていたら、電話口でセーラームーンが苛立っていた。
「ねえ、ピカチュウ?あんた、聞いてないでしょ」
やばい。セーラームーンは怒ると変身してこっちに走ってくるタイプなのだ。「月に代わっておしおきよ!」という決め台詞とともに折檻されてしまう。こわいこわい。
さ、お話はここまで。読んでいただいてありがとうございました。1分くらいの時間は過ぎましたかね?
では、またー
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