髪を切りました!理容師との確執

実家に帰ってきて一週間くらいになっていた。実家と暇は非常に近い要素であるように自分も敷き布団の上でスプラトゥーンかパワプロかの生活が続いており、かといってそれも行き詰まってしまったので外に出るのも兼ねて髪を切りに行った。高くはないぜの理容チェーンに入り、ガラガラだったので1番のイスに座って待っていると細目で金髪の理容師がやってきた。「どのくらいすかー」と聞いてきたのでこだわりのない、機能性を重視した髪型を伝えると、すぐに散髪が始まった。
理容師の指は、キンキンに冷えていた。もっと店内をよ〜く観察して、指をキンキンに冷やす機械、もしくはポケットに収まるくらいの氷を探しておくべきだった。理容師の暴走は指先だけに収まらず、時計をしていないのに腕時計を確認したり、腕をカリカリしながら行き来したり、あと普通にあくびもしていた。一緒に働いてる女性のこともずっとチラチラ見ていた。耳をかっ捌かれる恐怖と戦いながらなんとか切り終わりはしたのだが、雑念が多すぎたせいか、あれあんまり切られてなくね?という感じに落ち着いた。これ逆にってこと?ここまでの全部ってめちゃくちゃ天才の理容師だったから?そうだとしたら指先の感覚を研ぎ澄まし、天才の仕草もありながら告白の言葉でも考えながらベストに仕上げたことになるから、俺としても結構まんざらでもないけど。
天才に髪切られてたと考えだしてからはずっとニヤニヤしないように、頬の内側を噛んだりしていた。どんどん予想を外した時のリスクは大きくなり、リターンは驚くほど増えていなかった。相変わらず鼻と上唇の間だけ厳しめに剃ったりドライヤーは数秒もかけていなかったりしたが、自分はまあそうだよねと思ったし緊張して喉渇いたり上手く返事できなかったりした。今は近くの図書館で、髪をワサワサして「落ちてくる髪の毛の量酷くない?」と思いながらこれを書いています。あいつただ指キンキンの初恋だろ

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