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『鴨川ホルモー』から万城目ワールドにはまってしまった話

森見登美彦さん、万城目学さんといえば、京大卒の作家さん。
森見さんの小説は好きで読んでいたので、京大つながりということもあって読んでみよう!となりました。

少しネタバレも含みます。

まずは、デビュー作
『鴨川ホルモー』

ホルモーって何よ!と思うでしょう。読んだらもう、戻れないのです。ホルモーを知ってしまったから。
京大青竜会なるサークルに入部した、主人公、安部。彼の成長物語でもあり、彼をとりまく人たち、それからホルモーを通して仲間への信頼が築かれていく様子を描いたものでもあります。

風変りではあるけれど、理解できないわけでもなく。
そして、大学生の時ってなぜかサークル内で、揉めたりしますよね。
熱いのか、若いからなのか。
古来より続くホルモーは、そんな若人たちの行動にも影響が。
いや、逆かなホルモーのために、主人公たちは行動を起こすとも言えます。
共感と応援の気もちがあふれ出ながら、読みました。
万城目さんは、感情を細かく書くのがとても上手で、登場人物が生き生きと行動するのもその感情をもとにしていることがとてもよくわかり、読んでいて楽しいです。

そして、この『鴨川ホルモー』のスピンオフ!
続けて読みましたのはこちら
『ホルモー六景』
鴨川ホルモーに描かれていた、登場人物たちの背景が同時並行的に立ち上がり、さらに立体感が増します。しかもこちらはさらに恋愛度がアップ。
時代も現代から、安土桃山時代まで時を駆け、心を打つ話が多いです。
鴨川ホルモーではちょっとしか出てこなかった人や、結果のみ話が出ていたことなども、ああここで!これってこういう!ええそうなんだ!とつながります。
そして、ホルモーを知っている私が読むという快感にも浸れます。

『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』
かのこちゃんは小学1年生。一生懸命いろいろ考えている感じが、とてもかわいい。
さらに、猫のマドレーヌ夫人や犬の玄三郎への、心の寄せ方がとても良くて泣けてしまいます。
小学低学年の時って、不思議なことも現実的なこともすべて当たり前に受け止めて、そのなかで成長していく感じがするのだけど、その雰囲気がかのこちゃんから感じられて、読んでいる私も幸せになります。
小学生が読んだらどんな感想を持つかな?と思ったら、すでに小学生向けの本になっていました(笑)良いね!
猫好きとしては、マドレーヌ夫人の心がすごく身近で、そして気持ちが自分と一体化してしまって、途中辛くなったりも。
優しい人たちであふれていて、気持ちがほわっとしました。

ドラマは見ていたのですが・・・
『鹿男あをによし』
神経質な性格の主人公。こちらもこの主人公の成長物語でもあり。
最初は、神経質な感じが(きっとわざと)会話の端々にあふれていて、この主人公ネガティブすぎ!と思いながら読んでいましたが、鹿の運び番としての自覚、任務への使命感が鹿男の見た目とともに生まれざるを得なくなってからは、だんだんと責任感とともに、相手への思いやりも言葉に出せる人になっていきます。
学校対抗の剣道試合のシーンは、躍動感に手に汗握りながらも緊張に押しつぶされそうになりながら読みました。

ドラマ見ていたのに、鹿が集まるシーンしか覚えていませんでした。
話はそれますが、ドラマでは女性が演じていた先生が原作では男性教師。
味のある感じで、主人公との掛け合いもよく、このコンビで見たかったなぁと思いました。あれ、なんなんでしょうね。ドラマ化すると恋愛っぽくしちゃったり、バックグラウンド変えちゃったりするの。やめてほしいなと今回は思いました。

小説に戻りますが、この本を読んでから、奈良に行ったら鹿に話しかけてしまいそうです。
小説に出てくる場所って、なんとも魅力的なんですよね。そこにこの小説はさらに動物もからむので、納得したような顔して鹿に頷いてしまいそうです。

実は、今年の直木賞受賞作はまだ読んでいません。
本屋さんで平積みになっている姿はキラキラしています。
早く入手して、読まなきゃ!読むのが楽しみです。
まずはこの4冊のご紹介でした。

あまりネタバレしないで書けたかな(笑)

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