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富士山、それは北にある

わたしが育った故郷での話。
子どもの頃、転校生だった友人がある日言った。

ここの人たちって、富士山が北にあるから
方角がすぐわかるのね。

おお、そうなんだよ。
富士山が北の方角にあるから、
そこを基準として考えて自分がどこに進んでいるか、とかどう動いたら良いか、とか考えながら動いている。

それから、天候の変化も富士山を見て考える。
笠雲だから雨かなーとか、
富士山に雪降ってるから寒くなるなーとか
そんなことを子ども同士でも話していた。

今は、どうだろうか。
わたしが子どもの頃はそうだった。

そして雪が降ると嬉しくて、父からもらった手帳に
雪が降った!とお気に入りのペンで書き込んだこと、今でも覚えている。

今は雪が降ると
困った!になるのが寂しくもある。

子どもの頃は天候でさえも、アトラクションだった。

いつからあの気持ちがなくなったんだろう。
故郷に帰ったら、また少し思い出すのだろうか、いやきっとあの気持ちにはならないだろう。
寂しいね。

富士山消しゴム、愛用しています。

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