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古の日本人に会いに苗栗へ

先日、歴史を学んでいる友人に誘われて、歴史ツアーなるものに参加しました。
 
 
 
と言いつつ今回のそれは「歴史ツアー」と言っていいものなのかよく分かりません。歴史建築を巡るだとかそういうのでは無いのです。つまるところ、今回参加したのは「とある日本人の慰霊祭に参加するツアー」だったんですね。

 
 
情けない話ですが、私自身は大の歴史嫌い。多分学生時代のテストのせい。テスト終わったら全て忘れちゃう。一つ一つのトピックや出来事に関心を持てても、「覚えないといけない」とか「知ってて当たり前」みたいな雰囲気がほんと無理。まるで興味が持てないんですよ。仏像とかも大好きでよく見に行くんですが、誰が何のために作ったとかは重視しない。美術品/芸術品として楽しむ。更に情報を知りたければ調べてプラスの知識にするって感じで生きてきました。
 
  

1つのトピックから無数に広がって色んなものと繋がるのが歴史を学ぶ面白いところ。そんなこたぁ分かってます。ただね、身近に感じられないんですよね、だから興味持てない。

  

でも逆に言えば身近にあるものには興味があるわけです。大の歴史嫌いの私でも、出身地の奈良に関する事はある程度知ってますし、楽しんで学べます。
  

それは今生活している台湾もしかり。もっと専門的に調べてまとめるぞー!という気にはごめんなさい、なりませんが、きっかけとして10段階の内3-5位は知っておきたいなって思うわけです。
 

つらつらと「歴史ガーー!」と書きましたが、そんな私が参加させてもらったのはこちら。
 
【廣枝音右衛門氏の慰霊祭ツアー】です。ここでもごめんなさい。誘ってもらった時に初めてお名前を伺いました。一応私も少しは台湾に関係のある昔の日本人を知っていますが(ほんとにほんとにほんの少し)廣枝音右衛門さんは初めて耳にしました。 
 
 

廣枝音右衛門 氏

日本統治時代に台湾にいらっしゃった方です。ものすごく簡単に紹介すると

台湾人日本兵を引き連れてフィリピンのマニラ市街戦へ。時は終戦前、日本軍は厳しい状況。軍からの所謂特攻的な攻撃の命令を実行せず、台湾人日本兵に「台湾人であるあなた方は生きて台湾に戻りなさい」といった趣旨の事を伝え、自身は自決されました。自らの命と引き換えに台湾人日本兵の部下の命を救った、という方です。

廣枝氏については、様々な方がネット上に記事を掲載されていたり、本を執筆されていたりするので、ぜひ調べてみてください。

今回はこの廣枝氏の慰霊祭に参加するツアーへ。当日配られたレジュメには、廣枝氏に関わる資料が沢山。無知な私も慰霊祭までに勉強する事が出来ました。
 


獅頭山勧化堂へ

ついた先は苗栗縣南庄郷にある獅頭山。こちらに位牌が安置されているとこのこと。

自然豊かな良いところです。天気も良い(良すぎたくらいです)ツアーの最後に耳にしましたが、この慰霊祭の当日は、台風が来ているような日でも天気が良くなるそうです。不思議ですね。
 
 

私は中の様子を撮影していませんが、ここが本堂の様な所で、ご焼香をあげました。南無阿彌陀佛では無かったような。
 
廣枝氏の部下の1人である劉維添さんという方がこの慰霊祭を行っていたそうですが、その方も2013年にお亡くなりになったそうです。劉維添さんの娘さん、娘婿さんからの案内もありました。ご焼香をあげ終わった後に、劉維添さんのお墓にもお邪魔しました。
  
 

今では違う国だけれど、同じ国だった時代があって、その時の繋がりが世代をこえても誰かの手によって繋がり続けている。その時代を私達はもちろん知らない訳で、こうやって経験者から聞くことしかできない。でももう聞くことができる時代もそろそろ終わりを迎えるわけで。何かできる訳でもないけれど、「知る・学ぶ・伝える」と言うのは大切だ、と改めて思いました。


先述したように私は歴史が苦手です。でも、今回慰霊祭に参加したことで、この廣枝氏や劉維添さんが残した日台の繋がりに0.0001mm位は携わった事になるんじゃないでしょうか。
 

詳しいレポートなんかは出来ないですが、こういう催し物があるんだよ、こういう人がいたんだよと言う事を私のように知る人が増えたのならば、たとえ0.0001mmの細い繋がりであろうと後世に伝えられるのではと思います。
 


と、しみじみと色々考えながらツアーは続きます。慰霊祭はこれでおしまいです。
 

客家料理

お昼は参加者のみなさんと客家料理をいただきました。客家料理がすごく好きで、客家文化にも興味があって客家の老街とかも行くんですが、まだまだ知らないことがたくさんです。次回の課題の一つだなぁ。客家!

 
 

南庄老街

お昼ごはんの後は近くの老街を散策。これは日本統治時代の郵便局。今は「南庄文化会館」になっています。お土産屋さんがあったり、カフェがあったり。
 

客家と言えば油桐花のイメージがあるけれど、ここは桂花(キンモクセイ)が有名なようです。老街の中の小さな路地には【桂花巷】という名前が付けられていて、桂花醸とか桂花蛋捲とか色々売っていました。
 

康濟吊橋を渡った先から。
 
 

乃木坂(乃木崎)。この乃木はそう、あの乃木。歴史嫌いな私でも流石に名前は知っている、「乃木希典」にちなんだもの。歌って踊る乃木坂46では無いよ。石段になっていて、脇には石碑が残ってました。
 

この桂花檸檬すごくキンモクセイで美味しかったです〜◎
 

キンモクセイのハンドクリームとかもあったけど、いまいちでした。全然関係ないけど私の持っているキンモクセイのハンドクリームに勝るキンモクセイキンモクセイしてるものには未だに出会えていません。
 
 

と、話がそれましたが、今回のツアーもここで終了。バスに揺られて台北へ戻りました。
 
 

私にとって、このツアーが1つのきっかけになったように、誰かにとってこのnoteが何かのきっかけになったら幸いです。おしまい!
 
 


【おまけ】

勧化堂でいただいたかぼちゃの天ぷら。これがすごいおいしかった!
 

今回出会ったカワイイとステキ。

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