運動音痴はかわいいじゃない

漫画とかだと体育の授業中、運動音痴なドジっ子でかわいい〜みたいなのあるけど、あんなのは運動音痴の人間にはまずあり得ないと、声を大にして言いたい。現実は厳しい。
ドジっ子で済むのは運動神経が良くはない、程度までだ。まあ運動音痴だとしても、クラス内でそれなりの地位を獲得していてコミュ力もめっちゃ高いみたいな人ならば例外もごく稀にはあるかもしれないけれど、そういう人はなぜか不思議と運動神経が悪くない。なぜだ。

兎にも角にも運動音痴の人間はドジっ子なんて笑って済まされるかんじにはならない。
周りが開脚後転、伸しつ後転、後転倒立と進めて行く中で、ただの後転ができないままひたすら授業終了のチャイムが鳴るまで時間の経過を待たなければならないし、平泳ぎは進まなすぎていかに教師にバレないようにバタ足を組み込むかが勝負だし、バレーでサーブの順番が回って来たなら相手コートにサーブが入らず試合を停滞させるし、バスケでパスが来ると他のチームメイトから送られる「いやあいつに渡しても無理だろ」の視線に耐えねばならない。
惨めだ。全然かわいくない。

わたしは小中高の12年間という長い歳月、ひたすら目立たず、なるべく迷惑をかけず、かつやる気がないわけではないことをアピールしつつ、体育の時間をなんとかやり過ごしてきた。
ちなみに高校はマラソン大会と水泳大会のあるところは避けた。
そして受験戦争を乗り越え大学に入学し、好きなことだけ勉強できる、ついに体育なんかとはおさらばだ、と思っていたわたしは知る。体育の実技2単位を取得しなければ卒業できないことを。

しかも授業時間は90分。なげえよ。

#エッセイ #コラム #運動

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