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#2 山田コニーのおことばですが、、、

RistのPRの山田です。コニーです。こんにちは。
この企画は、私やあなたの好きなことばをそっと切り取って、主観的にことばの解釈・解説を行っていきます。ことばは出会うタイミングや、出会い方によって様々な見え方ができます。あなたの解釈はあなたのものですし、私の解釈は私のものです。ただ、その出会いは偶然でも、きっとあなたの人生を変えてくれるモノになるはずです。
素晴らしい出会いに今一度向き合ってみましょう。
そこからあなた自身が生み出すことばのヒントになってくれればと考えています。
コピーだけでなく、名言や、漫画の中の一節など面白いものがあれば拾っていこうと思います。
みなさんが好きなことばの僕なりの解釈もしていこうと思いますので、好きなコピーやセリフなどがあれば是非教えてください。僕自身もあなたによってもたらされる新しい「おことば」との出会いを待っています。

今回のおことば

さて、2回目の今回ですが2012年のTCC新人賞受賞した上島史朗さんのコピーにしたいと思います。

『親からもらった名前を、いつかブランド名にするんだ。』(モード学園)

夏の体験入学のシーズンのポスターに採用された東京モード学園のコピーです。モード学園、HALとかってもともといいコピー多いんですよね。
絶妙な加減でクサくて、夢を目指す純真さが出ている。そして、その純真無垢な挑戦の心は間違っていないんだよ、っていう力強く応援するコピーが多い。今回のおことばもその感じが出ていますよね。

では、もう少し細かく見ていきましょう。

おことばですが、、、(解釈・解説)

上に説明したようにポイントになるのは絶妙なクサさなんですが、今回の場合は他で展開されているモード学園のコピーのクサさとは少しだけ質が異なるんですよね。気になる方は他のコピーを検索してみてください。

体験入学という時期

このコピーが使われているのは体験入学のポスター。体験入学は結構気軽に行けるものではあるんですけど、実際に学校の入学へのハードルというのは高い。というのも、クリエイティブ系の専門学校って親はすごい反対しがちなんだよな、潰しが効かないから。今でこそそんな事はないのかもしれないけども、2012年で言えばまだそんな風潮があった時代だろう。僕の頃なんかもっと酷かった。そんな状況の中、学生側(入学の可能性のあるターゲット)からすると以下のようなグループに分けられることになる。
1.もう自分の道は決めてるんだ!親にも認めてもらっていて、絶対ここに通う!
2.どうしてもここの学校にきて、自分の夢を追いかけたい。でも親がなんていうか分からない……。
3.ぼんやりと好きな気持ちはあるが、自分の一生の仕事としてやりたいかどうかはまだ分かっていない。

このコピーのすごいのが、このターゲットのどれもに響く構成になっているということ。

ターゲット別おことばの見え方

1.の学生の場合、自分の夢が明確になりすでにバリバリその夢に一直線に進んでいる状況。しかしながら、まだまだ子供。夢を追う姿は応援したいけれども盲目になりすぎるのも、よろしくない。一歩立ち止まって自分の夢を見つめ直した時、応援してくれている親に感謝できるきっかけになるかもしれませんね。

2.の学生の場合。自分の夢ははっきりしているけれども、夢を明確に親に伝えられていない。様々な状況があるので一概には言えませんが、子供として一番怖いのは夢を応援してもらえないということですよね。言い換えると親も一緒に夢を見てくれない状況が怖いということになります。そこでこのコピーが起こせることは親を夢に巻き込むこと。親からもらった名前とすることで、一気にその夢は親とともに叶える夢に形を変えることができます。すごいな。

3.の学生の場合、これはもう分かりやすいですけど、ぼんやりした夢を一気に自分のビジョンで具体化させるというところですね。夢がぼんやりしている状況というのは、結局自分事として具体化できない。成功のイメージが沸かない。ゴールが見えない。みたいなことが多いので、そこに具体的に成功のイメージをすることで、好きと仕事が一気に結びつく。

おわりに

前述のようにモード学園のコピーには系統がある。この一定の基準(絶妙なクサさ)を満たした上で、ターゲットに確実に刺さるように、計算されている言葉の配置。考えてもここまでできることってあんまりないと思うけど、完全に計算して配置している感じがある。このコピーを考えた思考回路とか思いついた瞬間とかいつか聞いてみたいなぁ。
実際キャッチコピーとなると、ターゲットが明確になっていることが多いので、確実に刺さる方法を選ぶのは選ぶんだけど、今回の場合は結構性質の違う複数のレイヤーのターゲットがいる中で全員を串刺しにする感じ。めちゃくちゃ気持ちいいよね。「お見事!!」としか言いようがない素晴らしいコピーでした。

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