不妊治療のことと育児休業によせて

はじめに

表題の通り、私は不妊治療を長年行ってきました。そして、その結果この度新しい命を授かり3月末までの予定で育児休業を取得することになりました。その中で不妊治療をされている方、様々な事情で不妊治療を終えた方、不妊治療をなかなか進められない方のお話等も聞いたりしてきました。
また、不妊鬱などに悩んでいたり、不妊治療による人間関係や仕事関係などの悩みを抱えてらっしゃる方、不妊治療の周りには様々な課題や悩みが絡んでいます。
私自身の経験の元、文章を書きますが、どんな状況かによって、捉え方は違ってきてしまうというのは、仕方のないことだと思います。
もし今、あなたがそういった悩みで元気がなかったり、途中で少しでも違うな、と思ったらすぐにこのページを閉じてもらって構いません。
いつか、少しでも読んでみようかなと思い出したときには、また訪れてもらってこの先に進んでくれたらと思います。

また、今回の記事では不妊治療の内容や、私が不妊治療に関連して行ってきた内容等については細かく記載はしません。どちらかというと、不妊治療によって感じたことなど私の考えている(いた)ことをメインに書いていきます。もし実際の内容等が知りたいということであれば、DM等で個人的に連絡をしていただいても構いません。正解とかはないと思いますが、一経験者として、お伝えできることはお話ししたいと思います。

前半は不妊治療についての記述です。後半は育児休業について(個人的なこと、会社の文化の事)です。結構長いので、読みたいところだけ読んでいただいても構いません。

不妊治療と私のスタンス

私は2016年に結婚してすぐ、不妊治療を始めました。その後、約5年間ほど不妊治療をしてきました。不妊治療に関して、現在行っている人も何らかの事情で終えた人も、今はまだあまりオープンにされている方はそこまで多くはないように思います。
親しい間柄だけ伝えている人、家族にも伝えていない人、それぞれの事情があるかと思います。
私は、というと初めはあまり口外していなかったものの、途中からはなるべくオープンにしていくようにしました。

狙いとしては主に3つ
①夫婦ともに現状を楽しむため
②情報収集のため
③周りの不妊治療に対するイメージやアクションを変えるため


①について、そもそも不妊治療自体が隠さないといけないような「恥ずかしいこと」、「人より劣っていること」というような感覚(無意識にでももっているもの)を捨て、ポジティブに解釈をしていく方が夫婦ともに楽しんで取り組めると思ったからです。もちろん、上手くいかないことが本当に多くて辛いこともあります。それでも夫婦ともに、ポジティブに解釈できるポイントを多くしていくことで、続けられることができると考えていました。

②不妊治療を始めてから、Twitterの不妊治療用のアカウントを作り情報収集を行ってきましたが、現在進行系の当事者、または終えた方々の意見はやはり経験しているからこその意見が多く、偏った知識になりがちでした。オフラインでもオープンにすることで、第三者目線での意見や、Twitterでは到底集まらないような情報も提供していただけるようになりました。

③周りのイメージやアクションを変えるというのは①や②に通じることもあります。不妊治療に関わらず、例えば身近に何かで悩んでいる、困っている人がいるとその内容について少し敏感になってアンテナを張るようになったりしますよね。文化を変える、広げていくのにはこういった小さな波を起こすことがとても大事だと感じています。さらに周りの人が、当事者になる可能性もあり、事前に備えておくことができたり、準備を早めることができ、結果納得のいく形で進めやすくなったりするかなと思っています。

結果としては、私自身はこの3つの狙いについては思っていた以上に、達成できたかなと思っています。

不妊治療によって学んだこと、良かったこと

不妊治療は前述した通り、本当に辛いことが多いです。場合によっては夫婦仲が悪くなってしまうという本末転倒な結果に陥ってしまうことさえあります。私は今回結果的に新しい命を授かることができましたが、例えそうでなかったとしても不妊治療をして、とても良かったなと思っています。
これについては本当に書ききれないほど、メリットがあったと思います。特に良かったことといえば

・こと経験という点に限っては成功・失敗はないと実感できた
・どんなことでもポジティブに考えるクセがついた
・自分が思い描く未来ではないパターンの未来も考えられるようになった
・他の人の理不尽な言動について一歩立ち止まって考えるようになった
・これらのことを夫婦で一緒に感じることができた
・夫婦で話し合う時間が圧倒的に増えた
・転職した

一個一個めちゃくちゃ話したいですが、恐ろしい文量になる気がするので、やめておきます。本当にどれも良かったです。いずれ書くかもしれません。

ネガティブなイメージを持っていることにこそ、実は面白がる要素があったり、成長できる要素があるんじゃないかと思います。夫婦で同じように悩み経験したことで、これからもいろんなことを乗り越えていけるのではないかと思っています。

今回の育児休業を前に

現在、私は株式会社RistというAI・ロボティクスベンチャーでPR/広報をしています。育児休業を取得するにあたり、役員も社内メンバーも非常に前向きで、誰が取るにしても全員で協力してくれます。
ここ最近でも何人か育児休業を社内で取得しています。社内のブログでも育休を取得した社員のインタビューを掲載しています。
また、子連れMBAの記事でも社長の育休取得に対する考えが掲載されています。
社長も記事内で触れていますが、新生児期の子育ては親の義務でもあるが、親の権利でもあるという考えが会社の文化に根付いています。これは本当に素晴らしい考え方だなというか、もうほんまに恥ずかしながら目から鱗というか、ハッとしました。
育休の期間についても、社長も副社長も取りたいだけ取ってくれて大丈夫、心配しなくても大丈夫、と言ってくれて、今回約3ヶ月取らせていただくことになりました。(1年しっかり取った方がいいよーという意見も聞いていましたが、色々な兼ね合いで3ヶ月、首が座るくらいまでをと考えました)
この辺りも同じチームだけではなく、別のチームからもたくさん協力をしてくれており、「順番でみんなで支え合えばいいだけ」ということで、本当に何も嫌がることなくいろんな仕事を分担してくれています。愛です。

あと、何よりも今回、新しい命を授かったことに対して、そして無事に産まれてきてくれたことについて、社内のメンバーがめちゃくちゃ喜んでくれているのが、心の底から嬉しかったです。
昨日、育休前に書類提出諸々でオフィスに行ったら、社長がめちゃくちゃ笑顔で「おめでとうございます。本当に良かった。」と言ってくれてちょっと泣きそうになりました。

最高の会社と最高のメンバーだな、と思いました。

家族について、私について

1月5日19:08。新しい命が誕生し、この世に産声をあげました。楽しくもありましたが、とても辛いことも多かった不妊治療を終えて家族が増えました。
出産は命懸けと言いますが、奥さんは本当に頑張ってくれました。本当にありがとう。最大の愛と感謝を、これまでもこれからも。
まだ病院に入院していますが、奥さんも子も愛しくてたまりません。

そして、子の誕生は同時に父と母を誕生させてくれました。
父として母としてできることは何があるのか、分からないことばかりです。でも、子供の成長も親の成長も全て経験だと思います。どんな経験でも成功も失敗もないのだ、と不妊治療で学びました。
不妊治療でもやってきた通り、どんなこともポジティブに捉え、楽しみながら、生活をしていこうと思っています。

育休期間は私にとっても人生の大切な時間になると考えています。育休が終わり復職するときにはまた違った私になっているのではないかと思いますし、自分自身それをとても楽しみにしています。
歳を取っていくごとに、自分を変えることは難しくなっていきます。経験と知識と技術でカバーできることが多くなっていくからです。何が起こるか分からない、どんな変化が起きるか分からない刺激的な毎日を過ごせることに感謝です。

今後のこと

さて、長々と文章を書いてきましたが、そろそろ締めたいと思います。
経験はやはり伝えていくべきだと思います。不妊治療について、まだまだ足りていない教育や制度、知る機会、イメージの刷新。
PR/広報としての経験を活かし、この辺りの分野でも何かしらアクションを起こしていきたいと考えています。
私の働く、AI業界もそうですが、知っている人だけで盛り上がっていては、これから必要になる人には届いていきません。なんとかしようとしている人たちもどんどん出てきています。私自身もAI業界へのアプローチとして、AI広報グループを立ち上げ少しずつ動かしていたりします。
不妊治療についても、1人では到底できません。何ができるかまだわかりませんが、協力をしてくれる方がいたら一緒に考えてみませんか?実際に不妊治療をしている、していないは関係ありません。

少しでも誰かのきっかけになれたら、少しでも誰かの明日を変えらえたら。どんなことにも、私はそのような考え方で仕事をしています。(自己紹介参照
誰かの明日の角度が少しだけでも変われば、何年後かの未来は大きく変わっていると思っています。大きくなくても良い(大きいことはいきなりは難しい)ので、小さなことでも何か活動ができれば嬉しいです。Twitter等でDMください。

では、楽しんで子育て、親育ちしてまいります。

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