見出し画像

若い人が死ぬということ

ガザで若いどころか赤ちゃんが死んでいる。
私は彼らの歴史について言葉を何ひとつ持たないが
赤ちゃんを死なせるのは悪いとは言いたい。
【動画】ガザ:極限状態の病院からの声「電気がなく保育器が止まり、赤ちゃんが亡くなった」 | 活動ニュース | 国境なき医師団 (msf.or.jp)

子どもの自殺の多さにも胸を痛めてはいる。
おばちゃんが話を聞くし、話したくないなら手を握ってる。
それも嫌なら、隣にただ座っていてあげるから
生きてみようよって言いたくなる。

「私の幽霊」である彼は、38歳で死んでしまった。
私より若い人が死んだ事実に私は打ちのめされてしまったのだ。
年を重ねてきて、人の死にはいくつか出会ってきた。
だけどそれはみんな年長者だった。
彼は私よりもうんと若い恋人だったのだ。
それなのに、私と一緒にいた数年が彼の晩年になってしまった。
順当に年長者から死ぬこと以外に私は慣れていない。

彼が言った言葉にこういうものがある。
「俺は生き延びるために生きてるんじゃなく、幸せになるために生きてるんだ」
病気になって人生を大きく変えなくてはいけなくなって
たくさんのものを諦めざるを得なかった彼が、
病気や障害の受容が難しくても、
それでもまた立ち上がれたことを表した言葉だと思う。

病気になったとき
「意識が戻らないかもしれません」
と言われた彼。
生き延びた後だから、幸せになるために生きられた。

まず、生き延びてほしい。

イスラエルは、ヘロデみたいに赤ちゃんを殺すのを止めた方がいい。
憎しみの連鎖しか生まない。
現状だけを見ると
「そういうことするから世界で嫌われたんじゃ・・・?」
とまで思ってしまう。
私にできることはコロンをSABONじゃないものに変えたくらいだが。

戦争ではない日本も
若い子が追い詰められていることがたくさんある。
まだ、知恵も経験も少ないから
安易に死を選んでしまうこともあるのは分かる。
希死念慮というには大げさな
「消えちゃいたい」
という気持ちを、実は私もずっと持っているから。

「大丈夫だいじょうぶ」
「なんちゃあない」
小さい頃に見た映画で聞いた「なんちゃあない」で
私は自分を励ましてきた。
「ほら、こわくない」って、ひとりナウシカだ。

いろいろ通り過ぎたおばさんである私は
「いいこだね」
と自分に言うことも(たまには)できるようになった。

だいじょうぶだよ。いいこだねえ。
赤ちゃんや若い子に、そう言い続けられたら。
キャッチャー・イン・ザ・ライみたいなこと言ってるな。

私みたいな老害年齢ができること、
やらなきゃいけないことは、
若い人を追い詰めることでも
搾取することでもなく
安心して生きていける社会を作ることだろう。
そんな力がない私にできることは
だいじょうぶだよ、いいこだねって
言って手をつなぐこと、じゃないかな。

おしまい。


よろしければ投げ銭をこちらへお願いします。 投げ銭をくださるあなたにも私以上の喜びがありますように。