ライ麦畑でつかまえて

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第17話「吉祥寺の一間のアパート」

前回はコチラ

スナックふかよみ にて

♫わたし~は あ~いの~ すいちゅ~うか~♫

ご清聴ありがとうございました。

パチパチパチパチ(拍手)

男の人が歌っても、やっぱりいいわね、この歌は。

そもそもこの歌の主人公は「男」だからな。

「バラ色のワイングラス胸に注いでください」は「聖杯」のこと。

そして「レモンひとつ胸にしぼってください」は「酸っぱい葡萄酒」のことだ。

作詞した五木寛

もっとみる

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第16話「吉祥寺、井の頭公園、シューベルトのシンフォニー、バッハのカンタータ」

前回はコチラ

スナックふかよみ にて

では、続いてのパート「すみれと吉祥寺」を見ていこう…

ここも非常に興味深い…

 彼女は吉祥寺に一間のアパートを借りて、最低限の量の家具と最大限の量の本とともに暮らしていた。昼前に起きて、午後には山巡りの行者みたいな勢いで井の頭公園を散歩した。天気がよければ公園のベンチに座ってパンをかじり、ひっきりなしに煙草を吸いながら本を読んだ。雨が降ったり寒かったり

もっとみる

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第15話「アリー my love」

前回はコチラ

スナックふかよみ にて

それでは歌います…

ははうえさま… 猫のペトロ…

天国で聴いてください…

この歌、ちょー泣ける…

・・・・・

岡江クン、どうしたの?

いや… ちょっと気になることが…

杉の木の上に光る星…

そして、いなくなる子猫…

この歌詞って…

さあさあ!寄り道はいいから話を進めようぜ!

スプートニク、スプートニク!

あ、そうでした…

・・・・

もっとみる

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第14話「ははうえさま」

前回はコチラ

スナックふかよみ にて

「何だかよくわからない存在である聖霊のあなたに聞いたのが間違いだったわ。天の父しか知らないことなのに…」ってことね(笑)

そういうこと。おもしろいよね、村上春樹のジョークは。

そして次に「すみれ」の生い立ちが詳しく語られる。

人々を虜にするハンサムなパパの登場だ…

 すみれは茅ヶ崎で生まれた。家は海岸のすぐ近くにあって、ときどき砂混じりの風が窓ガラ

もっとみる

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第13話「バナナ・ダイキリ」

前回はコチラ

スナックふかよみ にて

では続くシーンを見ていこう。「すみれの性欲」や「父」について語られる場面だ。

語り手の「ぼく」は「すみれの恋」について、まずこう説明する。

 ミュウに髪を触られた瞬間、ほとんど反射的と言ってもいいくらい素早く、すみれは恋に落ちた。広い野原を横切っているときに突然、中くらいの稲妻に打たれたみたいに。それはおそらく芸術的天啓に近いものであったにちがいない。

もっとみる

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第12話「赤坂の高級ホテル」

前回はコチラ

スナックふかよみ にて

では『スプートニクの恋人』チャプター1の続きに戻りましょう…

そうそう。まだチャプター1の半分くらいだった。

まだまだ先は長いわね(笑)

すみれとミュウによる「ビートニク/スプートニク」の会話シーンは、ミュウがすみれの髪の毛をくしゃくしゃにすることで終わる。

そしてその後に、印象的なイメージについて語られるんだ。

この作品における非常に重要なイメ

もっとみる

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第11話「夜明けのMEW」

前回はコチラ

スナックふかよみ にて

で、岡江君は… 佳世実ちゃんと付き合ったの?

・・・・・

佳世実ちゃんは…

男の人が… ダメなの…

え?

佳世実ちゃんは、レズビアンなのよ…

マジで?

岡江クンは、それがわかっているのに、佳世実ちゃんのことが忘れられないの…

ずっと心の中で想い続けているのよ…

あたしと二人でいる時も、岡江クンはあたしといるんじゃなくて…

佳世実ちゃんと

もっとみる

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第9話「魔女の乳首と、冷えたキュウリ」

前回はコチラ

フランス、ブルゴーニュ

あなた、名前は?

私… 花笠…

花笠クリスティといいます…

あたしは佳世実。坂本佳世実。どうぞよろしく。

こちらこそ… 佳世実さん…

だけど凄いわね、あなた。スペイン語がペラペラで。

私、アメリカで10年働いていたんです。

スペイン語は第二公用語みたいなものだったから…

そう…

ところで、まだ約束の時間まで5時間もあるけど、どうしようか

もっとみる

『深読み 村上春樹 スプートニクの恋人』第8話「君が、嘘を、ついた〈後篇〉」

前回はコチラ

スナックふかよみ にて

なぜ村上春樹は「白樺派」なんて言葉を出したのかしら?

それとギリシャの島と何の関係が?

そのヒントは、白樺派を象徴する「この絵」の中にある。

同人誌「白樺」の表紙の絵の中に…

あっ!この表紙の絵、知ってる!教科書で見た記憶があるわ!

でもこの絵の中にギリシャの島の名前が隠されてるってホント?

of course。

では、その秘密を解き明かして

もっとみる

天気の子 感想(ネタバレなし)

天気の子

愛にできることはある。それを表明する
エモい映画。共感できるか賛否分かれるんだろうが、僕は感動した。
帆高は田舎から東京に出てきて新しい人生を歩もうともがく。
陽菜は自分の価値を見つけてくれる人との出会いがあり、晴れ女として生きる。

帆高も陽菜も、生きづらさを抱えている。現代社会への違和感を感じている。東京で暮らす彼らは、ここにいてはだめだと追われる。自分達の声は届かない。
彼らにと

もっとみる