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【シフト勤務】よりよいシフト表の作成方法

はじめてnoteに投稿する初心者です。Twitterも今年から初め、Twitterでつぶやいたシフトに関する事をnoteに纏めました。

【はじめに】

飲食店や小売業の店長や管理者の方で、シフト作成に多くの時間を割かれてた方は非常に多いのではないでしょうか? スタッフからのシフト希望を見て、「スタッフの希望を満たしてやりたい」と思う一方で、「店舗の運営コストを抑制したい」「店舗の人間関係も上手く調整したい」と考えるのは店長や管理者としては当然です。また店長や管理者は、急な欠勤対応が発生した場合は、ヘルプ要員を探したり、他店舗に応援要請したり、それでもいない場合は、店長や管理者自身が対応する事となるでしょう。慢性的な人手不足の職場では、代休取得も難しく、従業員だけではなく管理者自身の労働時間の超過が常態的に発生し、モチベーションを低下させる原因にもなります。更に教育(OJT)の実施や、学生や主婦など労働者の属性にまで配慮したシフト作成など、店長や管理者のシフト作成には色々な事情を考えなければならず、結果多くの時間を割くことになります。

一方スタッフはどうでしょう? 管理者のお悩みとは関係なしに、「もっとシフトに入りたい」「あの人と一緒のシフトは嫌だ」「休みたかったのにシフトが入ってしまった」、「いつも私に欠員対応をお願いされる」などのようにまず個人の感情が優先される傾向にあります。少しでも多く給料が欲しいし、ストレスなく働きたいと思うのも当然です。

それでは、皆が納得するシフトはどのように作成すれば良いでしょうか?
「スタッフの希望を満たしてやりたい」「店舗の運営コストを抑制したい」「店舗の人間関係も上手く調整したい」という「人の感情」と「経営の勘定」を同時に考えるのはやはり大変です。更に店長や管理職はシフト作成業務だけではなく、当然通常業務もあるために、シフト作成に取組む時間が中々取れません。だから店長や管理職はシフト作成の為に隠れ残業してまで対応していますが、会社の中ではそのような実態が見過ごされがちになっているのではないでしょうか? そこで、シフト作成にかかるシフト作成者の労力を少しでも軽減し、店長もスタッフも皆が納得するシフトを作成するには、人があれこれ考えるより、AIやツールの導入が大きな効果をもたらします。

【労働条件から見たシフト】

シフト表を人が作成してもAIやツールに助けてもらっても、まず使用者は労働者の労働時間を適正に把握する責務があります。始業時刻や終業時刻を使用者自ら確認・記録するとか、タイムカードやPCの使用時間等、客観的な記録を基に労働時間を把握・確定する必要があります。
そもそも「労働時間」とは、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」で、労働者が業務に従事する時間の事です。
・業務の準備や後片付け
・即業務に取り掛かれるように労働から離れなれない待機状態
・研修・教育訓練の受講
なども使用者の指示があれば、労働時間として扱われます。但し、使用者の指示があると言っても制約があり、
・上限は基本的に1日8時間、1週間40時間
・休憩時間は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上
・休日は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日が必要 とされています。

 それ以上(1日8時間、1週間40時間)を超える労働は「時間外労働」、また法定休日の労働を「休日労働」と言いますが、時間外労働・休日労働がある事業所は、いわゆる三六協定と言われる労使協定の締結が義務付けされています。(注:時間外労働は法定労働時間を超えた時間で、所定労働時間が基準ではありません。)
 次に休日は、少なくとも毎週1日か4週間で4日以上の取得が必要です。年約52週あるので、毎週1日の休日を付与すると、年52日が最低の法定休日数となりますが、年間休日数には法定休日のほか法定外休日も含まれる為、1日の労働時間を8時間で計算すると、年最低105日以上休日が必要となります。

・法定休日:労基によって、最低限の付与された休日
・法定外休日:企業が独自に付与日数を決定する休日

法を順守するだけなら、法定休日だけで良いと思いますが、なぜ多くの企業は法定外休日を定め、週休2日制(年最低105日以上の休日)にしているのででしょうか? それは「毎週1日、4週4日以上」に法定外休日を設定するのは、「週の所定労働時間の上限40時間」に抵触するからです。例えば、1日8時間働けば、5日で上限の40時間となります。そこで法定休日の他にもう1日休日とすれば違法にはならないので、結果多くの企業は週休2日制となります。
 また、労基法は何曜日を休日とするとか、祝日を休日とするとかの規定はありません。何曜日を休日としても、週によって異なる曜日を休日としても問題ありません。さらに、勤務の実態に合わせて、労働者ごとに異なる日に休日を与えても問題ありません。

例1)「週休2日(土日休日)の労働条件の記載例」

第〇条 休日は、次の通りとする
 ①土曜日及び日曜日
 ②国民の祝日
 ③年末年始(12月〇日~1月〇日)
 ④夏季休日(〇月〇日~〇月〇日)
 ⑤その他会社が指定する日
2. 前項の休日のうち、日曜日を法定休日とする

上記の例は、土日が休日の一般的なケースですが、それ以外にも変形労働時間制という働き方があります。これは、労働時間を月・年単位で調整して、繁忙期等で勤務時間が一時的に増加しても時間外労働として取扱わない労働時間制度です。但し、変形労働時間と言っても、1カ月以内1週平均労働時間が40時間以内や、1カ月超1年以内1週の平均労働時間が40時間以内などの制約はあります。より具体的には、1か月単位の変形労働時間制は月毎の法定労働時間で就業時間を決めます。
 ・28日:160.0時間
 ・29日:165.7時間
 ・30日:171.4時間
 ・31日:177.1時間

これらを日、週に振り分けていきます。また、1年単位の変形労働時間制は年間労働時間内に収める必要があります。

 ・365日:2085.7時間
 ・366日:2091.4時間

更に、年の変形労働時間制は、休日の取り方も重要となってきます。話が就業規則作りのような説明となりましたが、シフトを組むということは、個々の店舗には様々な事情があろうかとは言え、労働条件や労働基準法に沿ったシフト表であるという事が大前提です。

【シフトと個人の力量や資格】

ここ数年日本でもタレントマネジメントという言葉を耳にする事が増えてきました。そもそも、タレントマネジメントとは、企業が社員のスキルや能力を把握して適切な人材配置を行うための人材管理を指す言葉です。背景には超高齢化社会に伴う働き手の不足や、ビジネスのグローバル化といった課題の対応の為に、社員の適性や経験、スキルなどをデータとして可視化し、適材適所の人材配置行う為の仕組みです。社員のスキルをタレントマネジメントで管理することで、どの人材にどんな教育が必要なのか、また経営戦略に合わせた人材育成や、不足するスキルを中途採用で補うなど戦略的な人事政策が可能となります。店舗運営をする場合、タレントマネージメントレベルの導入を求められている訳ではありませんが、チームとして結果を出せる体制、つまり個々のスタッフがどのような役割を求められ、それを担っていくのか、さらにそれを実行していく仕組み作りは必要です。

例えば、あるレストランのランチ営業を2人のスタッフで運営する事を想定してみましょう。ランチのシフトを希望した2名が、キッチン(コックさん)であればどうでしょう? 専ら料理は得意ですが、注文、配膳、レジなどお客様対応が苦手であれば、お店は混乱しはじめ、お客様も決して良い印象はもちません。ランチ営業をスムースに行うには、キッチン1名、注文・配膳が得意なホール1名のチームの方が、キッチンが得意な2名のチームよりも高いパフォーマンスが出せるしょう。

 次にドラッグストアのケースはどうでしょう。 医薬品を販売するドラッグストアには、薬剤師や登録販売者が置かれます。それは薬剤師がいないと第一類医薬品が販売できないし、登録販売者といないと第二類、第三類医薬品の販売が出来ないからです。つまり、日常のドラッグストアの店舗運営は、パートやアルバイトだけではなく、薬剤師や販売登録者が勤務している事が前提となります。この場合のシフト作成は、資格がないと店舗を運営できないというケースです。

よりよいシフト作成で出来たシフトは、交代制によって従業員の勤務時間を満たすだけではなく、店舗や業務のチームワーク力を高め、生産性が向上させる企業の売上や利益に直結する大変重要な要素と言えます。

【よりよいシフト管理とシフト表作成の為に】

それでは、よりよいシフトを作るには、どうすればよいでしょうか?

まず、シフト作成業務で力を発揮し、かつ一番多く利用されているツールはエクセルです。単にエクセルでシフト表を作成するだけではなく、演算や関数を活用し、勤務時間の計算や1日の人件費の算出、さらに従業員の過不足を確認したりしています。労働条件だけを考慮するのであれば、この方式でも十分ですが、個人の力量や資格、さらにスタッフの相性、スタッフ自身の希望、OJTなど勘案すると、エクセルだけで実現するのは難しいでしょう。更に店舗ではPCの作業スペースが狭かったり、エクセル作業自体が困難であるというケースも散見されます。また、俗人的なプログラムとなっていたり、ファイルの修復など長期的に活用するのは限界であるという声も聞こえてきます。

それでは勤怠管理のソフトウェアやサービスはどうでしょう。これらには、シフト管理機能が含まれているものも多数あります。もちろん、これを活用するという事はシフト作成では有効な手段であります。但し、勤怠管理のソフトによるシフト作成は、そもそも勤怠管理のソフトウェアである為に、従業員の出退勤状況を管理する事が主目的となりがちです。例えば従業員の多くが9時~18時勤務で、かつ正社員というよう比較的単純なシフト作成には有効と言えますが、アルバイトやパートが多い業種、夜勤を伴う業務、店舗を横断してヘルプ(欠員補充)が必要な業種、さらに効率的なOJTを実施したいなどの要望がある場合はどうでしょう? そのような場合には、勤怠管理のソフトウェアを利用するより、それに相応しいシフトに特化したソフトウェアやサービスを選択した方がよいでしょう。

さらに、ソフトウェアやサービスの導入の際はサポート体制も確認も重要です。特に導入時は業種に精通したビジネスパートナーを選択する事で、導入がスムースに進みます。また導入後のサポート体制も、仮にソフトウェアやサービスに不具合が生じると従業員のシフトを確認できず、現場は混乱する事も考えられます。しかし、サポート体制がしっかりしていればすぐに対応してもらえますし、分からないことがあっても速やかに回答をしてもらえるでしょう。機能面だけではなく、導入時、導入後のサポートも十分考慮して選定する事が重要です。

皆が納得するシフト作成は大変な業務です。通常業務ではないので、
どうしても隠れ残業で対応する傾向にある為に、会社もそのような実態が見過ごされがちになります。そこで、経営者の皆さん、シフト作成者の労力を少しでも軽減し、店長もスタッフも皆が納得し、幸せになるシフトを作成の為に、積極的にAIやツールの導入を検討されてみては如何ですか?


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