（ラップトップをたたく音）
この時間は特に enterキーを 右手の小指で押すとき 静かに押すようにしてる
TGIFや。もうここのとこ　それだけのために生きているような気がする
そうか 今日は 君が来る日や
早く会いたい
早く君の 少しキーの高い あの声を聞きたい

とりあえず帰って 着替えて　車で、、、 新大阪か　 あの道込むねんな

（エンジンをかける音）
この瞬間はいつも少し 気分がよくなる 金曜日の 11時半
ラジオから聞こえて来る８０２ いつもと同じDJ
信号待ちの15秒で メールを返す 「了解 いつものとこで」

（エンジンをかける音）
「 お待たせーーーーー  もうほんっっと仕事忙しくってさー終電逃しそうだったよーでもなんとか間に合ってさーこっち来るまでの間トータルで一時間半は 寝てたかなー」

いつもの声　心地いい。
ハンドルを握りながらも時折 僕が君の 右耳を見ている事に君は気づいてないねんやろうな

「 それでさ、でもさ、やっぱり駅弁って なんか、やっぱりほんっと美味しいよねー ビールも結局さ、一本だけ にしようと思ってたのにさーー販売のワゴンの人がさあすっごく元気だからさあーもう一本買っちゃったよーああーねむいねー」
「 そう。」
「 それでさあ、明日食べたいものがいっぱいあってさ、ええっとーあそこのなんて言ったかな　ケーキも食べたいし　お好み焼きも食べたいし　たこ焼きも食べたいし　 ねえ何食べたい？」
「 そうやなぁ　オレは、、、」
「 あ！そうだ！そうだ！インディアンカレーどう？絶対いいよ　君も食べたいよね？」
「 ああうん」

いつもの声　 心地いい。
１車線しか動かない御堂筋。 こうやって君の声をずっと聞いてたい

「 それでさ、その後さ、明日さ、太陽の塔見たいな！ ね！！久しぶりだしたまにはいいじゃん！」

（クラクションが鳴る音）
「そやなぁ」
１車線しか動かないのはええねんけど、こういう激しい割り込みだけは、ほんまにやめてほしいなぁ

ん？今なんかゆーた？