あの失敗があったから

「そんなん、いらんわ!」
と何故言えなかったんだろう、、、

その一言が言えたら、あんなショックな言葉を浴びることはなかっただろう。

その言葉とは、、

「おまえとおっても全然おもろないわ!」 

頭が真っ白になった。
言葉が出てこなかった。
ショックだった。

全人格を否定されたようだった、、、

その人は、当時好きな彼(ひと)だった。
付き合っていたわけではないけど、親しくしていた。

ただ、私は彼の話をうんうんと頷くだけの人だった。
20歳までの私だ。

人見知り、誰かといてもいつも聞き役、3人以上いたら、存在すら感じさせないくらいだった。

自分のことを、陰気な性格、面白くない性格、内面もだけど、外見ももちろんコンプレックスだらけだった。

外見は仕方ないから、せめて内面だけでもいい人になろうとしていた。

それを人は優しいね。とか
何でも聴いてくれる。とか
時には、話をしていると気持ちが軽くなったよ。と感謝の言葉をくれる人もいた。

今で言うと「傾聴」だったのかもしれない。
余計なことは言わない。
それで済んでいた。いや、それがかえってありがたいことだったんだろう。

さて、話は戻るが、20歳の時に言われた
「おまえとおっても全然おもろないわ」
は、次のような話の流れ。

電話で

彼「正月に沢山餅をもろたんやけど、カビってしもたわ。カビった餅、いらんか?」

私「はい。もらいます。」

そこで出たのがショックな言葉だった。

何故、そこで、
「そんなん、誰がいるか!」
とか
「そんなん、いらんわ!」

とすぐに言えたら良かったんだろう。

ツッコミ方法や、会話のやりとり方法を知らずに、ただ全てを受け入れる私だった。

だけど、そのショックな言葉が私を変えた!

「よし!積極的になろう!」
「話が面白い人になろう!」

フランスの言葉で
「人生最期に思い出す人は、自分をたくさん笑わせてくれた人」
というのを本で見つけた。
そこで、その彼(ひと)に、その言葉を書いた手紙を渡し、変わってみせる!と、心に誓い去った。

それからアメリカに1ヶ月留学した。
そこから、変わろうと決意した。
環境を変えることで自分を変えるきっかけになるかもと。

そこから、恋も、興味があることも、積極的に狩る、「狩猟民族」に変わった!!

20年ぶりに行った高校の同窓会で言われた。

「え?そんなにしゃべる人だったっけ?」

そう。おとなしいと思われていた私は、すっかりおしゃべりな人に変わっていた。

でも、楽しい。
以前の私よりうんと今の方が楽しい!
あの彼(ひと)の、あの言葉があったから。

だけど、最近は、しゃべりすぎることに反省することも多々ある。

「聴く」スイッチと「話す」スイッチの切り替えが必要。

そして「話す」時は、短い言葉でキリッと話せたら理想だ。

今さらながら、しゃべりすぎは、相手の時間も奪うことと気付いた。


「おまえとおっても全然おもろないわ」
        から
面白い人になろう!と一度山は越えた。


これからは、バランスよく、時と場合により

「あなたといたら、心休まるわ」と言われるようになりたい。

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