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海外で体外受精:ICSI(顕微授精)する?しない?

クリニックBに到着し、さああと何日で採卵という段階で、夫が顕微授精(ICSI)に疑問を呈しました。


顕微授精と普通の体外受精の違い

ただの体外受精と何が違うの?という方は、「媒精(いわゆる普通の体外受精)」と「顕微授精」の違を説明している日本のIVFクリニックのブログがわかりやすいです。

亀田IVFクリニック幕張「媒精と顕微授精の違い(メリット・デメリット)」より

顕微授精は乱用されている?

最初に相談したイギリスのクリニックはじめ、顕微授精はどこでも当然のように提案プランに入ってて、すでにパッケージ価格の一部になっているところもあったので、私は「受精率が上がるからじゃない?」と特に気にしていなかったのですが、夫の言い分はこうでした。

  • 顕微授精は介入が過ぎる

  • 先天性異常の確率が上がる。僅かでも避けたい

  • てか俺の精子所見問題なくね?

何事も納得しないとやらない人なので面倒くさいのですが(笑)、視点は正しいことも多いので。

顕微授精が適応する条件(例)

「リサーチ」という名のGoogle検索をしまくったところ、顕微授精が正当化される条件は以下の通り:

  • 男性側が原因での不妊

  • 受精障害

  • 凍結卵子を使う場合

どれも(まだ)当てはまらないのです。

夫の奇形精子症には?

彼の精子所見は、数、濃度、運動率、直進率は基準以上、唯一WHO基準に達してないのが正常形態率、つまり奇形精子が多すぎるという結果が出たことがありました。
(のちにクリニックBの治療経過報告書には「奇形精子症(teratozoospermia)」としっかり書かれました)

奇形精子症でも妊娠してるという情報があり、真の男性不妊とみなすかは別として、顕微受精の適応症例とされるのがほとんどなんじゃないでしょうか。
でも奇形率が高くても、彼の場合そのぶん母数が多いので正常形態の精子も少なくない→受精不可能ではないのです。

さらに判断を悩む要素として、ギリシャでやった直前の精液検査でWHO基準値を超える正常形態率が出てたんですね。
夫は、だから俺大丈夫じゃん?と楽観的!
それより卵子を刺したり手を加えすぎる。子どもに先天性の障害が出たらどうするんだ、と。

顕微授精は先天障害が増える?

確かにESHREでも"Small’ risk of major malformations in children conceived by ICSI(顕微授精児に"僅か"ながら重大な奇形の危険性)"という記事を出しており、それに先行して日本の生殖医療専門医の方も「顕微授精(ICSI)による先天奇形のリスクは上昇する」という引用元の論文は同じと思われるブログを書かれています。

私たちの結論

私は、確かに子供に先天性異常は怖いけど、受精率が下がるのも怖い。初めてのことでどうなるかわからない以上はっきりと言えないのが正直なところでした。

ネットで調べてたら、ふりかけ法と顕微を半分半分でやるという策も出てきたので、半信半疑の現状にはこれがぴったり!これでお願いしよう、ということになりました。

※画像はESHREの記事"Small’ risk of major malformations in children conceived by ICSI(顕微授精児に"僅か"ながら重大な奇形の危険性)"からお借りしました

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