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レバレッジポイント(Y Y)

仕事に関して、最近もやもやと考えていたこと。

やった方がいいことは無数にある中で、本当に、今いちばんやるべきことはこれなのか?自分も含め、一人ひとりが「これこそがまさにこの会社において自分がやるべきことだ!」と思えるような、確かな目的が足りていないのではないか。そして、その目的とは一体なんだろうか?


自分自身に関して言えば、もともとは、「この世の中が殺伐として、利己的であることが当たり前みたいになっているのは、仕事はお金をもらうための手段だと考えている人が多いからだ!もっと、一人ひとりが心からやりたい事をやる世の中にしたい!」という想いから、会社に入って働いてみることを決め、今まで十数年働いてきた。

しかし最近になって、もともとの課題感である「この世の中は殺伐としていて、利己的であることが当たり前。仕事はお金をもらうための手段だと考えている人が多い。」というそもそもの認識に、手触り感がなくなってきていることに気づき始めていた。おそらくそれは、今の環境(会社)が恵まれていて、「他人のために」「喜ばれるために」仕事をしているという人が周りに多いせいなのだと思う。少なくとも、自分が普段接する人の多くは、「給料のため」をメインに働いているわけではない。

しかしそうすると、仕事を通じて自分がやりたかったこと、為すべきことは一体何なのか。今の自分の会社の状態は既に理想に近く、あとはそれをもっと世の中に広げられればいいということか?あるいは、今いる場所は課題の場所ではなく、もっと世の中に広く目を向け、本当に課題がある場所で戦うべきなのか?…いや、そうではないと思う。まだ、思い描く「理想」と、会社の現実には何か大きな隔たりがあると感じる。それは、一人ひとりが、本当の意味で「やるべきこと」、命を燃やして取り組むことを持てていない、ということ。そこでやはり冒頭の、仕事において「確かな目的が足りていない」のではないか、という課題感に戻ってくる。


では、仕事における「確かな目的」とは一体どんなものであるべきなのか。株主利益、ではもちろんない。会社のミッション、理念、パーパス?もちろん重要な要素の一つだが、大きな企業になればなるほど抽象的になり、命を燃やす拠り所としては不十分だ(そもそもまだ現状では、社員の心に火をつけるような理念が作りたくても作れていない)。この社会、世界、には本当は解決すべき問題がまだまだいくらでもある中で(こうしている間にも、格差と貧困により苦しみ、命を落とし、悲しみと怒りに震える無数の人々がいて、生物種は減り続け、資源をめぐる争いがあり、どうやら温暖化も既に手遅れかもしれないくらいに進行中らしい)、私は、私たちはここで今何をすべきなのか。

朝一番の透明な気持で、秋晴れの青空に浮かぶ白い月を眺めながら、この美しい世界と恵まれた自らの環境、そして直接は見えないけれども確かにあるこの世界の深刻な課題に想いを巡らせていた。


「レバレッジポイント」という言葉がふと頭に浮かんだ。レバレッジとは、梃子(てこ)の作用のこと。レバレッジポイントとは、梃子の力点のことで、今イメージしたのは、この社会の中で無数にある課題に立ち向かっていく上で、「今私たちがいるこの場所で、私たち自身が取り組むことで、最大の効果が得られるような取り組み」というイメージだった。

私たちのレバレッジポイントは何だろうか。本業の追求なのか新規事業なのか。地球温暖化なのか、紛争、貧困、格差、ダイバーシティ、etc. なのか…。単一の答えは出せない、と感じた。どれもが答えでありえるし、全員の合意が得られる解は存在しない。じゃあどうしたらいいのか?

そうか、レバレッジポイントは、一人ひとりの「心」の中にある。

一人ひとりの中に、ほんとうは、その人が命を燃やせるようなテーマがあり、それらは社員同士、多様でありつつ重なり合ってもいる。そしてそれが、一定数の社員間で深く響き合うものであれば、それはこの場所で、この会社を通じて実現されることを待っているテーマである、つまりそれこそがレバレッジポイントだと言えるのではないだろうか。

だとすると、本質的な課題とやるべきことが見えてくる。本質的な課題は、一人ひとりが、自分自身と、周囲の人の中にあるレバレッジポイントを見出せていないということ。だからこそ、多くの社員はまだ、自らの命を燃やすほどの情熱を仕事に注げていない。与えられた職責を全うすることを通じて「それなり」にやりがいを感じることに甘んじてしまっている。

そうであるならば、私は、企画部門に所属する現在の立場において、社員一人ひとりが自分自身と向き合い、心の中にあるレバレッジポイントを探し出すこと、そしてそれが社員同士で共鳴し合い新たな動きを起こしていくことを支援していきたい。そのために具体的な取り組みを仕掛けていく。

また、レバレッジポイントは会社の本質的な提供価値(本業)の周辺に多い(本業と密接にリンクした理念、文化、価値観等に共感して入社する社員が少なくない)が、その本質的な提供価値がいま揺らいでいる。そのため「本業に直接貢献する仕事をしていても、仕事に誇りが持ちづらく、心からやりたいと思えていない」という状況が多く生まれている。これについて今、複数の関連部署を巻き込みながら事業の存在意義を再構築するための取り組みをはじめているのだが、これもやはり多くの社員の心に埋もれているレバレッジポイントを救い出すことに繋がっているのだということに改めて気づいた。今一度、これまで以上に力を入れて取り組んでいきたい、と思う。

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