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ライフワークは観察し続けること、学び続けること、変化し続けること!       大林基子さん 〜モトヤフインタビュー〜

-最初にお名前をフルネームで教えてください。

大林基子(おおばやし もとこ)です。

-お生まれはどちらですか、またどちらにお住まいですか。

福岡県北九州市出身で、現在は川崎市多摩区在住です。また時々新潟県南魚沼市にいます。

-これまでのプロフィールをご紹介ください。

2002年バリュークリックジャパン株式会社に新卒入社後、モバイル/Web広告営業や営業管理を経て、オンラインDVDレンタルサービス、アラートサービスの立ち上げにメンバーとして携わりました。

ヤフー株式会社へは2004年に転職しました。入社後、My Yahoo!等パーソナライゼーションサービスの企画としてサービスリニューアルを経験しました。

2007年12月にはキヤノン株式会社へ転職し、世界中の国々へ販売した製品の稼働/不良状況やクレーム対応等の把握を目的としたITシステム企画や刷新を担当した後、メディカル事業本部へ異動し、現在は新規事業創出や連携創出に従事しています。

-ヤフーに入ったきっかけは何でしたか?

在籍していたバリュークリックジャパン社が当時のライブドア社に買収されたことをきっかけとして、必要とされ続ける企業、そして上場企業として株主との良い距離感を保ちながら経営が行われる企業に興味を抱き、業界No.1だったヤフーに入社しました。

面接の時に「あなたは自分のことをラッキーだと思いますか?」と聞かれ、0.1秒程度で「はい!」と答えたことが入社の決め手だったのだと今でも信じています。(それくらいなぜ採用されたかは不明)

-ヤフーでのお仕事はどんな内容でしたか?

My Yahoo!というサービスの企画として、最初はパーソナライズド・トップページに掲載するモジュールの企画から、PJマネジャー、リニューアル等を担当しました。様々なサービスのPMや開発リーダーの皆さんと利害や優先順位等を調整しながら協業に結びつけ、面白い企画になるよう一緒に育てて、互いのサービス全体に悪影響を及ぼさないようにリリースしていく仕事が多かったです。リニューアルの際にも、インフラ、各サービス等との綿密な連携が必要でとても気を使いました。

-ヤフーで学んだことはどんなことでしたか?

次の3つかと思います。
①仕事の成功を作りたければ、良いチームを作れ 
②小さな成功の先に信頼がついてくる 
③プロフェッショナルになりたければ、プロフェッショナルとして振る舞え

-ヤフー時代のエピソードやトピックはありますか?

Yahoo! Incに出張した時にお会いしたIncのPersonalizationチームのエンジニアの方が、ITと宇宙工学の二分野の博士号をお持ちの方でした。

当時新バージョンのMy Yahoo!をローカライゼーションしようと試みていたのですが、うまくいかない点があって相談をしたところ、突如として壁3面に広がるホワイトボードの端から端までものすごいスピードで数式や図形を描き始め、埋まったところで「Done! Gonna be Okay.」と言ってすぐに部屋から出ていってしまいました。

その姿をぽかーん、と口を開けてみていたら、IncのPMが「彼は天才だから、よくわからないけど解決できると思う」と言って別の話を始めたことが強く印象に残っています。本当にその問題は解決できていたのですが、IncのEngineerの多様さ、自由さ、そして日本人にはない大胆さとスピードを感じました。

この時に「インターネットサービスという観点で世界を市場と捉えた場合、日本の企業が世界のトップとなる可能性は低いんじゃないか」と感じるようになりました。

-辞めたから分かるヤフーの良さというものはありますか?

組織は分かれていても常に協力や連携の糸口が見つかるくらい、風通しがよく前向きだということです。それは、自組織の利だけをみるのではなく、1+1=∞の可能性を信じていることが根底にある気がしています。

-キヤノンというネクストキャリアを選んだ決め手は何ですか?

日本発で世界中に必要とされる企業で働いてみたいと考えたからです。Yahoo! Inc.での経験もあり、海外での売り上げが8割でかつ経営手腕に感銘を受けたキヤノンを選びました。

-現在のお仕事は具体的にどんな内容でしょうか?

医療機器やサービスの領域で、将来新しい価値を提供し始めるために必要な新規事業のタネを育てたり、協業先候補とのアライアンスや他業種とのオープンイノベーションを推進したり、自社事業間の連携を構築・支援したりする仕事をしています。

My Yahoo!の時代と同じく、まずは我々の仕事を知ってもらい、必要としてもらって、一緒にやれることを探し、それを形にしていって、価値を提供するために、必要になるあらゆる活動を手掛けています。また、この部門自体が新しい部門で新しい取り組みということもあり、仕組みや仕事、ルールなどを作ることもあります。

-現在の仕事の面白いところや素晴らしいところを教えて下さい。

健康や未来を作ることに貢献できる点です。医療という、患者様の苦しみや、医療従事者の皆さんの負担を減らすことに貢献できる分野であること。また、昨今のサイエンスとテクノロジーの発展により、病気を発見できる、治せるなどの新しい可能性をたくさん秘めている仕事だという点が気に入っています。

さらに、最先端の研究を行っている研究者や医療従事者の皆さん、そしてそれ以外にも技術者、薬事担当者、経営層など、様々な方と一緒に仕事ができる機会は刺激的で、時間を忘れてディスカッションをしてしまうこともしばしばです。

-お仕事をされつつ、併行してグロービス経営大学院を修了されたそうですが、そこでのエピソードやご苦労も教えて下さい。

仕事人としての自分に、ずっと自信を持てませんでした。結果が出ていても、再現性がない気がしていました。自分一人では成し遂げられない大きな夢があるのに、どう進んでいけば良いかがわからない。そんなふうに悩んでいた時に、自分よりも賢い人たちが日夜研究を重ねて得られた成功の法則を学ぼう、と決心しました。

在学中は寝不足の日ばかりで、本当に大変だった思い出しかありません。それでも、私は学内で最も予習復習に時間を割けなかった学生だったのではないかと思っています。焦りながら、速読したケースを頭の中でぐるぐると思い出しながら押さえどころは何かを考え続ける日々でした。幸いなことに、結果として成績優秀者として選んで頂けました。卒業後は楽になるかと思っていたのですが、また得た学びを土台として実践と結果を作る修行の日々が始まり、苦労しています。

-お仕事そして大学院での学びとアクティブに取り組まれておられますが、さらにお二人の育ち盛りのお子さんもおられます。子育てでもエピソードがありましたらお聞かせ下さい。

子育ては失敗の連続でしかないので、笑い話しかできません。授乳期はフラフラ、感染症の時期には一家パンデミック状態で、子供は発熱ピークを超えると元気に遊び始めるけれど、親はヘロヘロです。

また、我が家には小学生の男の子が二人いますが、二人とも少しタイプの異なる非定型発達児(ASD/ADHD)です。得意なことは超がつくほど得意なのに、不得意は徹底的に不得意で、毎週学校から電話がかかってくるので、心が弱くなると仕事を辞めようか・・・と悩みます。でも、こちらが懸命に対応しようとすると、子どもにも、先生にも、地域の方々にも、委託している家事スタッフの皆さんにも伝わるようで、いろいろな方々に支えていただきながら、教えて頂きながら、チームで育児をしています。

親の私たちに必要なのは、目的を見失わないことと、体力だと痛感しました。これは、Yahoo! JAPAN勤務時代に仕事ばかりしていないで運動しておけばよかったと後悔する点ですね(笑)。

-今、特に力を入れていることは何ですか?

仕事とテニスです。仕事においては、先ほど触れましたとおり今年経営大学院を修了したこともあり、休日もその学びも織り交ぜながらよりはやく、効果的に成果を出す方法はないか・・・と思案することが多いです。コロナ禍の中で40歳でテニスを始めたのですが、ようやく体ができてきたこともあり、女子シングルスの草トーナメントに出場し始めました。

-ご家族以外で尊敬している方がおられたら教えて下さい。

人でなくて恐縮ですが・・・東京ディズニーリゾートです。

インフラ、ディベロッパー、出展企業、ウォルト・ディズニー社等様々な異業種の連携により素晴らしい世界観を作り出し、またそれを維持し発展し続けている点が素晴らしいと思っています。

キャストの皆さんお一人お一人に至るまでをまとめ上げ、お客様がどのような体験をし、どのような印象を抱いてお帰りになるのか、という顧客目線での価値提供を徹底した企業として大変尊敬し、近所なのに泊まりがけで定点観測に出かけております。

-ご趣味は何ですか?

火遊び(火おこしなど)です。家の暖房が薪ストーブのため、薪割りや火おこしなどを日常的に行っています。

-そういえば大型免許ももっていてBMW F650gsに乗られていますよね。

今も所有していますが、仕事と大学院と子育てで不動車状態になってしまいました。もともと大型免許を取ったのは、Yahoo! JAPAN勤務時代の先輩に「仕事ばかりしていたら良くないよ!」と言われ「背が高いからバイクに乗ってそうだよね。免許取ったら?」と言われ、翌日教習所の手続きに行ったことがきっかけでした。Yahoo! JAPANで同僚だった夫とも、日本全国をキャンプ&ツーリングをして、素晴らしい自然との出会いに加え、地域の方々との交流などを通じて、「生かされている」ことに気づくことができました。
今はキャンピングカーや自動車の方が多くなってしまいましたが、旅をすることで得られる思考や目線の変化を楽しむことは、きっと生涯続くと思います。

-コロナの時期を経て変わったことはありますか?

在宅併用勤務により、生活や価値観が変わりました。コロナが始まるまで、当社はオフィス勤務前提でしたが、時代錯誤を感じて役員に掛け合いコロナによるロックダウン直前に当部門全体でどこでも勤務が可能な体制を整えました。

ロックダウンの2ヶ月間、BCPを担う社員以外は自宅待機になったのですが、当部門は全員リモートワークで通常通り勤務を継続しました。また、健康への意識が高まりテニス等スポーツに意識的に取り組み体づくりをするようになりました。

-ライフワークは何でしょうか?

観察し続けること、学び続けること、変化し続けることです。

-これからチャレンジしたいことは何ですか?

様々な場所に行き、色々な人にお会いしてお話を伺い、感じることを続けたいと思っています。人間は相対的な感覚で物事を取り入れる生き物だと感じています。なので、体験とそれを通じて感じたこと、その先の思考がその人を作るのだと思います。

-モトヤフやnote読者に伝えたいメッセージを一言お願いします。

私が大昔に所属していたヤフーを、素晴らしい企業に成長させてくださってありがとうございます。OBとして誇らしい気持ちでいっぱいです。

現職で15年働いていますが、未だに「ヤフーの人」と言われているのも、きっと私自身の中にヤフーでの経験が活きているからだと思います。ただ、ヤフー時代は最年少の企画/PMで何の経験もなく、とにかく仕事に必死にしがみつき、なんとかリリースしていく生活を送っていました。確か、当時通した企画書の本数は一番多かったと言われていたのですが、逆に通せなかったことも一番多かったように思います。

何事も最初から成功はないわけで、周囲の助けを得て(その分お返ししつつw)仮説検証に近い失敗を通じて自分が学び、成長し続けられるのであれば、どのような業界・職種でも必要とされる人材になっていくと思います。皆さんのこれからの人生のどこかで、お会いできる機会がありましたら、色々なお話をお聞かせください。

-大林さん、本日は大変ありがとうございました!

(本日の大林さんへのインタビューは川村英樹が担当しました)

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