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理解し合うことの難しさ

 冬の寒さの中にも暖かさが入り交じるようになった。多分春はもう近くに来ているのだろう。

 やはりいまの私のことを理解してもらうことは難しいんだなと思う出来事があった。でももし逆の立場だったとしても、私も理解できないことの方が多かったと思う。
 実は「理解しようとしてくれる」という気持ちを持ってくれた人がいた。結果はやはりお互いに分かり合えなかった。しかし「分かろうとしてくれたこと」がとても嬉しかった。
 そして思った。果たして私はその人の気持が分かっていただろうか? 分かろうと努力をしただろうか? 答えはNoだ。だから私には「自分を分かって」なんて言う資格はない。私はいつも自分ばっかり。分かって欲しいのなら、もっと相手の気持ちも分かるように努力をすべきだった。
 それにしても優しくそっと支えてくれるような人だった。私はその人に出会えてよかったと心の底から思っている。

 町で名前の知らない鳥を見つけて「かわいいな」と思ったり、青空を見て「キレイだな」と思ったり、コンビニスイーツを食べて「美味しいな」と思ったり。
 私の場合そういうことだけでも感じられたら充分なんだけどなと自分で思うのだ。人それぞれ価値観は違うのだから、無理して周りに合わせなくても、比べなくてもいい。私は今の作業所での作業を頑張って、自分のなりたい自分に近づけるように努力したいと思う。
 
 もうすぐ3月。ちょっと近くの川沿いにある桜並木が満開になるのが待ち遠しい。言葉では言い表せないほどの綺麗さなのだ。その景色を自分らしくホンワカとした優しい気持ちで観るために、もう一度自分の足元を見つめ、自分の中にある希望のようなともしびを消すことなくこれからの日々も過ごしていきたい。
 そんなことを思った今日は風が強くて寒くてなんだか寂しい気持ちになってしまった。「まぁ、なんとかなる!」と単純な私はその言葉でこの文章を締め括ることにした。
 

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