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科学が教える効果的な相談の乗り方はこれだ!

前回の記事では、「共感しようとして相手のネガティブな感情を深堀しても、更にネガティブにしてしまうだけで良いことないかもよ」的な内容をお話ししました。

詳しくはこちら↓

じゃあどんな聞き方をすれば問題解決に導くことができるんだろう、というのが本記事の内容になっております。

今回もイーサン・クロス著『Chatter』の内容を基に書いております。

本記事の結論

先に本記事の結論から述べてしまいますが、コミュニケーション学教授のアンドリュー・C・ハイとジェームズ・プライス・ディラードによる研究によると、問題解決へと導く最も効果的な対話は、支えを求めている人の社会的欲求と認知的欲求を統合するものだそう。

社会的欲求とは「友人や家庭、会社から受け入れられたい」という欲求で、認知的欲求は「自分の生活環境を正確に知り、様々な危険をうまく回避したい」という欲求です。

要するに、相手に共感され、かつより良い方向へ進みたいということ。まぁ、何か予想通りですな。

とどのつまりあなたがすべきは、一旦相手の感情や内省を承認し、それから状況を広い視野で見られるように力を貸したり、実際的な解決策に向けてブレインストーミングするよう導くことです。

余談ですが、年始に離婚したばかりの友人と飲みに行ったのですが、「辛かったね、君は悪くないよ、まだ次があるよ」と共感や慰めを示すばかりで、何も建設的なことを言ってあげられなかったなと、『Chatter』を読んで反省しました…。

あなたからの支援で自己効力感を失うことも

ここで非常に厄介になってくるのが、話は聞いてほしいけど助けを求めているわけじゃない人もいるということです。

相手のニーズをよく考えずにアドバイスすると、当人の自己効力感を損ねてしまう可能性があります。これは自尊心が傷つくだけでなく、健康や意思決定、人間関係にもダメージが及んでしまうということが心理学的研究によって明らかになっているようです。

効果的な対話むずすぎ…。結局ここでも、じゃあどうやって相手の地雷を踏まずに問題解決に導くことができるんだっちゅー疑問が生まれますね。

支援はさりげなく行うか身体的接触の力を借りろ

ありがたいことに、どのような他人への支援が最も効果的なのかということは、すでに調べられているんですな。

コロンビア大学の心理学者ニール・ポルジャーが主導で行った研究によると、助けられる側に気づかれないように助けることが、他人を支援しつつも当人の自己効力感を損ねずに済む秘訣だそう。

例えば複数人の場であれば、助けが必要な当人の前で、友人や家族のためという建前で第三者に意見を求めたり、他の人たちが似たような経験にどう対処したかを話すことによって経験を一般化し、さり気ない支援を行えます。読書により得た知識を話すのもよいでしょう。

また、2017年に発表された成人期における身体的接触が心理的な幸福に及ぼす影響を調べたレビューによると、愛情のこもった接触にも上記と同等の力があると発表されています。問題解決への導きとはならないにせよ、同様のリラックス効果やストレスの解消が見込めるんですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。難しい話を散々してきましたが、最後には愛情をこめて抱きしめればいいという話に落ち着きました。

もちろん話の聞き方は凄く大切なスキルですが、親しい友人や家族、恋人が落ち込んでいる際にはまず、身体的接触を増やしてみてはいかがでしょうか、もちろん下心など一切持たずに。

ここまでお読みいただきありがとうございました、それでは!

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