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〖詩〗 人を嫌う

人を嫌うと
遠くの山が美しく迫ってくる
地平線を遮るビル群
あれらを粉塵と消し去り
山と空で視界を満たしたい欲が
抑えがたく溢れてくる

人を嫌うとき
私はひとつの大きな感覚となって
社会的無気力の装いのうちに
野性的知性の血潮
鈍く滾るそれを
しつしつとめぐらせ
山よ恋し 海よ恋しと浮ついて見せながら
その実深緑の闇に沈んでいるのだ

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